彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





トラックが、完全に検問を抜けたところで言われた。




「もう、体ごと出してもいいぞ。」

「おっちゃん。」




運転していたおっちゃんからの安全報告。



「警察が集中してるのは、龍星軍が消えた山の周りだ。こっちまで気にしねぇーよ。」

「じゃ、じゃあ!お言葉に甘えて~・・・・」



それを受け、毛布の中から完全に体を出した。




「あ~怖かった!見つからないか、緊張しちゃった・・・」

「緊張ってゆーか、狭かったな?凛?」




身体を出して脱力する私の隣で、同じように体を出したお方が言う。




「見えないように、平たくなるのはツレーな、凛?」

「瑞希お兄ちゃん!!」



そう、隠れるために、後部座席で身をひそめていた私達。




「そ、そんなことないです!平気です!」

(むしろ、瑞希お兄ちゃんといつもとは違う体勢で密着できたので幸せでした~!!)




〔★つらくなかったらしい★〕




「はははは!悪いな~急だったから、後ろの荷物を片付けてなかったからなー」



私のやり取りを聞いていたおっちゃんが笑う。



「そんなことないですよ!」

「そうっすよ、助けてもらったんですから。」



おっちゃんの言葉を、素早く2人で否定する。




「特に凛は、2回も助けてもらって・・・マジですんませんでした。」

「瑞希お兄ちゃん。」

「良いってことよ、お兄ちゃん!兄ちゃんも、怪我なさそうでよかったぜ。」

「僕は平気です!それよりもおっちゃんが・・・・・怪我は、大丈夫?」

「ああ。少し縫ったが、元気だ。」




頭に巻かれた包帯を見ながら聞けば、自分の額を片手でポンポンと叩きながら笑う。




「本当ですか・・・?頭だったから、精密検査とか・・・入院、した方が良いんじゃ・・・?」

「ばか!トラック運転手をなめんなよ!?俺は、頑丈に出来てんだぜ?」

「でも・・・」

「そんなツラすんな!だから、気になっちまったんだぞ?」




気まずい私の頭に、おっちゃんの手が乗る。

くしゃくしゃと頭をなでられ、申し訳なささが増す。