彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




そうやって怒り狂うフジバラ警部の様子を見ていたのは、仲間の警官達だけではなかった。



「うわ!?なんですかい、あれは?」

「あ、いやいや!なんでもない!なんでもない!」



その側で行われていた検問でチェックを受けていた、一般ドライバーも見ることとなっていた。



「あの・・・・なんかあったんすか?これだけデカい検問するとか、殺人でもありましたか?」



フジバラから一番近い場所で検問を受けていたトラックの運転手が、かぶっている帽子を直しながら聞いた。



「い、いや!非行少年達が逃げていましてね!」

「はあ!?ガキ・・・・ですか?そんなに数が多いんすか?」



運転手の問いに、バツが悪そうに警官が答える。



「う・・・それは、まぁ凶悪であるので、警戒しているんです。暴走族風の少年達を、見かけませんでしたか?」

「そう言われても・・・・十文字パーキングでなら、毎回見てますよ。つーか、あそこの治安、何とかしてくださいよ!あれの方が、問題ですよ!?仕事の邪魔にもなるしで~」

「ああ、はいはい。わかってますよ。」



質問の答えついでに苦情を言うが、相手は興味がなかったのだろう。

淡々とした口調に戻りながら言う。



「ちゃんと、今回の件で見直しますから。」

「はあ!?今更見直すって・・・・・今まで何回も言って言ってきたのに、聞いてなかったってことかよ!?」

「っ!?そ、そうは言ってません!」



図星をつかれ、警官の口調がまた乱れる。



「そちらもきちんと対応しますので、二人乗りのノーヘルで、ジャニーズのよな顔つきの子を見かけたら通報をお願いしますよ!?」

「チッ!・・・・わかりましたよ・・・!山狩りって聞こえたので、子供が行方不明かと思ったんですがねぇ~?」

「オッホン、オッホン!もう、行っていいですよ!ご協力、感謝します!」

「・・・どうも。警察も大変ですね。お疲れ様です。」



なにかを誤魔化すように咳払いする警官に、運転手は嫌味を込めた気の毒そうな顔で答える。

そして、自分の後ろで待たされている他のドライバーたちのことを考え、それ以上の文句は言わなかった。