彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




逃げ惑う警官と、引き気味の私達。

その様子を、ご満悦の様子で眺める獅子島さん。




「助けてくれー!」

「なんて量だよ!?」

「ぎゃー!ズボンの中にも入った!?」

「見ろ、凛道。大の男でも、生理的にGは受け付けないということだ。」

「大体の人がゴキブリダメですよ、きっと!?」

「今度、ゴキブリの良い捕獲方法を教えてやろう・・・・!」

「4号さん怖いっ!」

「キャンセルだよ、ボケ!凛に変なこと教えんな!」

「ホント、オメーだけは、敵に回したくないわ・・・・」

「超最低!ああ~鳥肌止まらない!!えんがっちょー!」

「わはははは!いいことじゃねぇか!?面白くしてくれたんんだからよ~!?」

「感想はそこまでにして、今のうちに逃げるぞ、お前達。」




1人を除き、ブーイングする私達に、笑みを消しながら獅子島さんは言う。




「警察の混乱に乗じて、このまま一気に距離を取るぞ。いまするべき優先事項は何だ、総長?」

「うっ!?お、おまわりさんから逃げることです・・・」

「ならば行け。ケツ持ちをしてやる。」

「4号さん、でも!」

「まだ、残りあるんだが・・・・代わりにケツ持ち役でまくか?」




そう言って、真っ黒なビニール袋を差し出してきた。




ガサゴソガサガサ!


「う!?」




その中身は激しく動いていた。

中に何がいるのか、何の残りなのか過ぎにわかった。





「緊急発進―――――――――――――――!!」





だから叫んだ。



「サツと4号さんが見えなくなるまで飛ばしてくださーい!」

「まかせろ、凛!オラ、バックレっぞ!」

「クワバラクワバラ~」

「いやぁあああーん!4号ちゃんの馬鹿馬鹿ぁ!」

「わはははははははは!」



それぞれ単車が、猛スピードで動き出す。




「お兄ちゃん・・・・ゴキブリもありなんですかぁ・・・・?」

「なわけないだろうー!真似すんなよっ!?」




泣きたい思いで聞けば、愛しい彼は泣き笑いみたいな怒り顔で否定してくれた。




「「「「「「ひぎゃあああああああああああああ・・・・・!!」」」」」」




その直後、背後で可哀想な声が上がる。

きっと犠牲になったんだとわかったので・・・・静かに十字を切って短いお祈りをした。