彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





警察の姿も声も音もしないところまで来た時、進行方向で何かが光った。

懐中電灯ではない光。

その明かりは、どんどん大きくなっていく。



「1号!あれ!」

「ああ・・・単車だな。」



気づいて叫んだ私に、瑞希お兄ちゃんが答えてくれる。



「見たところ、1台だけか・・・」

「やーね、新手ぇ~?」

「わははははは!向かってくる奴は、すべてウェルカムだぜ!」

「1号!このまま進むと―――――――!」

「まだ、敵とわかったわけじゃないぜ、凛?特に敵だとすれば、こっちから逃げちゃダメなんだ。覚えときな!」

「1号・・・・」

「大丈夫だ!俺のケツに乗せてる以上、凛には指一本触れさせねぇーよ!」


(瑞希お兄ちゃん・・・・!)




私の好きな笑顔で言うと、少しだけスピードを上げる黒子1号さん。




「行くぜ、オメーら!」

「OK~」

「わははははは!!」

「凛も!しっかり捕まってろよ、総長?」


「は、はい、じゃなくて、おう!!」




アイコンタクトで私に告げる瑞希お兄ちゃんに、首を縦に振る。

彼の合図で、他の2人も表情を引き締めたが――――――――――





ヴォーン、ヴォーン!!



(ん?このバイクエンジン・・・・・)





聞いたことのあるマシンの音。

同時に、見覚えのあるシルエットが見えた。




「凛たん!」

「2号!?」

(烈司さんだっ!)



やってきたのは、ヘビースモーカーの先輩だった。

先へ行ってと指示した先輩が戻ってきた。

嫌な予感がした。




「どうしたんだよ、お前!?」

「この先は進めねぇ!」



烈司さんに問いかけながら、ブレーキを踏む瑞希お兄ちゃん。

これに、烈司さんもブレーキをかけながら答えた。





(進めない?)


「どういうこと?」




停止した瑞希お兄ちゃんのバイクの後ろで聞けば、険しい顔で烈司さんは言った。




「検問だ、凛たん。」

「検問!?」

「ああ。4号がいないから、正確な情報がわからねぇーけど、俺らと爆裂弾達を探してるんだろうぜ・・・。」

「そのために、検問をしてるの・・・!?」

(世間一般で言う交通規制をしてるわけ!?)




それでやっと私は、自分達がとんでもないことをしたんじゃないかと思えた。




〔★自覚するのが遅い★〕