彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





バイクの後ろで旗を持って乗ってるだけで、何もできない私。

この修羅場に協力できない自分を不甲斐なく思う。




「ちょこまかと~動きやがって――――――――――!オラ!!」

「くっ!?」




そんな思いで、落ち込んでいた私だったが、



「お兄ちゃん!?」

「離せこら!」



目の魔で起きたピンチに奮い立つ。

見れば、大事な瑞希お兄ちゃんの腕を白バイのおじさんが掴んでいた。




瑞希お兄ちゃんが捕まった!

お兄ちゃんを掴んだ。

彼に触った!



(よくも――――――――――)




それで一気に頭に血がのぼった。





「――――――――――触らないでくださいっ!」



ガツン!!





完全なフルスイング。

気づいたら、特攻機の旗で殴っていた。





「なっ・・・・!?」




私の攻撃に、目を見開く瑞希お兄ちゃんと。




「ぐわなあああ!」




それ以上に目を丸くして叫ぶおまわりさん。




ガッシャーン!




長く伸びたおまわりさんの声と、鉄の塊が転がる音がする。



(えっ!!?)




私の一撃で、あっけなく白バイは転倒した。




「うそ・・・?」




あまりにも簡単すぎたので、ギョッとした。




「ええ!?思いのほか、あっさりやられた!?」




そう思ったら、申し訳なくなる。




「ご、ごめんなさーい!大丈夫ですかー!?」


「オイオイ、謝んのかよ、凛助!?」

「律儀ね、凛ちゃん!?てか、2人共大丈夫―!?」




私にツッコみを入れながら、百鬼とモニカちゃんが近寄って来た。




「あ、ぼく・・・いえ、俺は大丈夫!お兄ちゃんは!?」




首を横に振った後で、出来ついている人に聞く。

彼を見る。

私が見た瑞希お兄ちゃんは、目を丸くして固まっていた。




「お兄ちゃん?」

「あ・・・!?あ、ああ。大丈夫だ・・・・。」




呼んだら、我に返ったように眼をパチクリさせる。

そして、私を見ながら優しい声で言った。




「すまなかったな、凛・・・。おかげで助かった。」

「♪そ、そんな・・・!」

「俺も今の奴も、油断してたわ。」

「え?油断?」

「ああ・・・・ここらの暴走族は・・・・旗を、特攻旗を神聖な物って考えてるから・・・武器にしねぇーんだよな・・・」

「え?武器に、しない・・・」

「あはははは・・・・まぁ、オメーが跡を継いだ龍星軍だから、好きにしたらいいと思うけど・・・普通は、バットや木刀みたいな扱いは・・・なぁ?」




そう言って、スイングアイする。

それで十分わかった。