彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




私の言葉の後で、咳払いしながら瑞希お兄ちゃんが言った。




「それで?この後はどうしたいんだ、凛?」

「下がります!」




彼の問いに即答で答える。




「下がる・・・?」

「はい!後ろに、3号と5号のところへ行きます!」




けげんそうに聞き返す瑞希お兄ちゃんに、自分の思ったことを口にする。

それに瑞希お兄ちゃんは変わらぬ表情で言う。




「あいつらケツ持ちだぜ?心配だから行くってんなら、頭は務まらねぇーぞ。」

「そうじゃないです!考えがあるんです!」

「考えだ?」


「そうです!だから、後ろへ向かって、1、号・・・・」




慣れない呼び捨てに、舌が絡まる。





「それでいいぞ、凛。」





そんな私に、瑞希お兄ちゃんが目元をゆるめる。





「―――――『1号』で良い。旗と一緒に、俺にくっ付いてろよ?」





バルン、バルロロロロン!


「あ。」






そう言い終わらないうちに、瑞希お兄ちゃんは単車をターンさせる。

そして―――――――――――――






キキッキュキュ――――――――ギュン!?



「おっ!?」

「ちょっと、1号ちゃん!?」





百鬼とモニカちゃんの前まで行くと、再びユータンする。




ブロン、ブロロロロン!

バルバルバルーン!

パララララ~!



ケツ持ちしていた2人の間に収まる形で、並んで走る。




「なにしてんのよ、1号ちゃん!?」

「わはははははは!」




これにモニカちゃんは顔をしかめ、百鬼はいつも通りに笑う。




「なんで、総長ちゃんを連れて何しに来たのー!?あたしらのいる場所、最前線なんですけど!?」

「その総長からの命令だ!」




怒るモニカちゃんに、瑞希お兄ちゃんは楽しそうに言う。




「凛ちゃんの命令!?」

「前のバイク、止まりなさい!」




聞き返すモニカちゃんの声と、後ろに張り付いている警察の声が重なる。




「ノーヘルで、速度オーバーだけでもよくないのに、お前らパトカーを襲撃しただろう!これ以上逆らうなら、痛い目にあうぞ!?」

「ほら!おまわりさんも、ああ言ってるわ!凛ちゃん、ここは危ないから、前にお帰りなさい!ここは、凛ちゃんがいていい場所じゃないのよ?」

「わははははは!ナウシカジブリのセリフかよ!?」

「お黙り、筋肉!心配で来てくれたのはわかるけど、あたし達は大丈夫!ここはいいから1号ちゃんと一緒に―――」

「行きません!」




モニカちゃんの気遣いはわかったけど、引くわけにはいかない。