彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「ちょっと~!?凛ちゃん、大好きってどういうこと!?あたしにも大好きって言わなかった!?大好きじゃないの!?嫌いなの!?」

「え?好きですよ?モニ・・・3号さんを嫌いになるわけ、ないじゃないですか~?」

「って、凛コラテメー!?」

「はう!?もぉおおおおおおおーん!だから凛ちゃん大好き!!」




〔★凛の天然発言★〕
〔★モニカは喜び、カンナは怒っている★〕




「テメー!なんだそりゃあ!?天然小僧が、リップサービスしすぎだぞ!?」

「ええ!?僕は別に、嘘なんて~?」

「あはははは!高千穂、それぐれーで許してやれ。凛も、後で話そうな~」




私達の会話を、笑いながら瑞希お兄ちゃんが止める。




「それで?見たところ、オメーらは何しに来たんだ?うちの総長になんか用か?」


「あー・・・はい、あたしらは~」

「『何しに来た?』だぁ・・・・・!?」




気まずそうに、何かしゃべろうとするカンナさんの近くで、低いうなり声がした。




「『何しに来た?』ってなんすか、瑞希さんっ!!?」

「え、円城寺君?」




凍結していた円城寺君が動き出す。

彼を解凍したのは、間違いなく瑞希お兄ちゃんの言葉。




「瑞希さん!なんなんすか、この茶番!?」

「俺は1号だ、馬鹿野郎。」

「ひどいっすよ!俺があんなに、ツーリング誘ったのに、なんで凛道とは、あっさり走ってんですか!?ケツにまで乗せて!?」

「え?」



(断った?円城寺君からのツーリングを、瑞希お兄ちゃんは断ったの・・・?)



意外なキーワード。

気になったので、側にいるカンナさんに小声で聞いた。




「・・・そうなの、カンナさん?」

「まぁな。」





これにカンナさんは、渋い顔で返事してくれた。