彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「マ・ジ・で!何にも教えてないし、聞いてねぇーのかよ、凛!?」

「じゃあ、今から聞きます。教えて下さい、1号さん。」

「え?今か、凛?」

「速攻かよ!?どんだけ素直だオメーは!?」

「いやだって・・・聞いておいた方がいいってカンナさん言ったじゃないですか?」

「あたしのせいにしてんじゃねぇーぞ!?まぁ・・・それぐれー神経が図太くねぇーと、龍星軍の看板は背負えねぇーかもな・・・」




しみじみ言うカンナさんだったけど、すぐに元の表情に戻る。




「なぁ、凛!オメーの今の言い分だと、真田先輩を超えるのがお前の総長としての意気込みなんだよなー?」

「そ、そうですけど?」

「じゃあ、今夜の武勇伝も、真田先輩達に捧げるためにやったのかよ?」

「武勇伝?」

「そう。」




私の問いに、意地の悪い顔でカンナさんは教えてくれた。



「龍星軍復活の生贄として、十文字パーキングの飛翔連合共をブッ飛ばし、元龍星軍の領土を奪い返しながら戦ってるんだろう~?ノリノリで喧嘩売りまくって、病院送りにしやがったそうじゃんかー?」

「僕から始めたわけじゃないよ!?」




〔★とんでもない武勇伝だった★〕




ウキウキしながら言う相手に、力強く否定する。



「違うから!僕は、被害者だから!あっちが勝手に、売ってきただけだからね!?」


「そう言われても、十文字パーキングで見たぞ。」

「お前のせいで、彼氏と別れたって泣いてるレディース。」

「そういう君達は、秀君と悠斗君!?」




カンナさんの後ろで、それぞれのバイクを運転していたノッポとチビが言う。



「俺ら、お前の暴走跡地めぐりしてきたけど、悲惨だったぜー!」

「お前、噂通り、ジャック・フロストだな?」




そう語る表情は、心なしかニヤニヤしていた。




「誤解だよ!ちゃんと予告はしてるから!やめてくれないと、ひどい思いをするって予告して―――――!?」


「わかってるよ、ばーか!」


「カンナさん!?」




私の話をさえぎって、ヤンキーガールが言った。




「どうせ、凛のことだから、因縁つけられて、それをはね返してるうちに、大騒ぎにしちまったんだろうー?」

「わかってくれるの、カンナさん!?」

「たりめぇーだろう!オメーがそういうタイプじゃねぇーって、わかってっから!」

「ありがとう!だからカンナさん、大好きだよ!」

「っ!?だ、大好きとか言うんじゃねぇ!!」





〔★凛の感謝の表現、カンナは赤面している★〕