彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「あ、うん。何か変?」

「そりゃあー!」

「変じゃねぇーぞ、凛?」




カンナさんの反応が気になって聞けば、さわやかな笑顔で瑞希お兄ちゃんが言った。




「誕生日のサプライズやプロポーズのサプライズと同じだ。」

「あ、そーなんだ~」

「そうじゃねぇーよ、凛!だまされるな!かなり違うからな!?真田先輩も!凛にデタラメ教えないでください!」

「俺は1号だ。」

「じゃあ、1号先輩!なんすか、このサプライズってのは!?」




私の返事に、目を見開きながら瑞希お兄ちゃんを怒鳴るカンナさん。




「あんたに実の弟がいただけでもサプライズなのに、またドッキリする気なんスか!?」


(私、弟じゃないんだけどな~)




そう言いたかったけど、今の状況でそれを言うのは良くないと思う。



(話が長引きそうだし、カンナさんが話してる相手は瑞希お兄ちゃんなので、邪魔するのは良くないよね?)




〔★凛は気遣いを覚えた★〕




大人しくしていれば、案の定、カンナさんの話し相手になっている瑞希お兄ちゃんが言った。




「フジバラのおまわりさんが凛を追跡してんのは、爆裂弾も知ってるだろう?なによりも、凛は目立つことが好きじゃないからな。」

「はあ!?だったら何で、ガチの族を始めたんだ凛!?」

「ええ!?それは~」




瑞希お兄ちゃんの話を受け、私へと絡むカンナさん。

即興だったけど、思い浮かんだ気持ちを伝えた。




「み、瑞希お兄ちゃんみたいに、楽しくのんびり、馬鹿やって過ごしたいと思ったからで~あの方を超えるため、かな?」

「間違ってる!オメーの考えは間違ってるぞ、凛!?お前知らないの!?現役時代の真田先輩達の武勇伝!?」

「え?強くて、かっこよくて、最強だった・・・・ですよね?黒子ファイブの皆さん?」


「「「「「その通り!」」」」」


「嘘つけ!性悪さが抜けてんぞ!?」




声をそろえる5人に、カンナさんがツッコミを入れる。