彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「はいはい、そこの2人~!世界作るなよ~?」

「凛ちゃん!モニカちゃんにも構ってちょうだいよ~!大好きなんでしょう!?」

「あれは言葉のあや、言い間違えだ、モニカ。それだから、男に騙されるんだろう。」

「わははははは!俺はチャイニーズのお姉ちゃんに騙されたけどな!」




そう言って単車で近づいてきたり、ユラユラとゆれるような運転をする他の先輩達。




「ねぇ凛ちゃん、どうだったー?ギャラリーからの視線は!?」

「え?えーと、少しびっくりしましたが・・・」

「その割には凛たん、落ち着いてたなー?ちゃんと瑞希のいいつけを守って、硬派して。騒ぐ女の子に目もくれずによー?」

「そうでないと困る。その調子で、ふぬけるんじゃないぞ、凛道。」

「わはははははは!凛助、良い子がいたら俺様にまわせ!大人の男を教えてやる!」


「え、いやですよ!百鬼さん!なんの嫌がらせですか!?」

「い、嫌がらせだぁ~!?」

「ぷっ!?あはははははは!そうかもな~鋭いぞ、凛?!」

「あん!?どういう意味だ、瑞希!?」

「言葉通りの意味だよ、馬~鹿!」




そう言って、ゲラゲラ笑う姿も可愛い。




「舐めてんじゃねぇーぞ、コラ!?」

「ははははは!マジになんよ~皇助?」

「きゃはははは!やぁーね、もう!」

「フッ・・・・のん気なことだ。」




ほどなくして、全員が声を出して笑い始める。

つかの間の平和みたいなのを感じながら、瑞希お兄ちゃんの背中に顔を寄せる。





(あの時も・・・・・・・・こうやって、瑞希お兄ちゃんの背中で・・・・・)




そんな思いでひたっていたら、瑞希お兄ちゃんが低い声を出した。