彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





バウーン!!バッバッバッ!



(楽しい。)



バイクの後ろで受ける風は、冷たいけど。

その寒さをしのげる抱き枕の様な存在が、すぐ側にある♪




「凛?まだ寒いのかー?」

「えへへへ~すみませーん♪」




見物人が見えなくなったところで、ギュッと目の前の瑞希お兄ちゃんに抱き付く。

これに相手は、怒ることなく言う。



「こんなに寒がりだと、冬が大変だな~?皇助!今度凛の単車に、風圧抵抗の装備、付けといてくれ!」

「わはははははは!軟弱だなー凛助!?」

「烈司、皇助の作業の監視役を頼む。」

「はいはい。皇助だけだと、えれーもんつけそうだからな。」

「伊織とモニカは、完成後の安全点検頼むわ。なにかあってからだとおれーから。」

「よかろう。隅々まで見てやろう。」

「あたしが試乗して、安全保障してあげるー!すべては、可愛い凛ちゃんのためよん♪」

「よし!交渉成立だな!よかったな、凛?」

「あ、ありがとうございます・・・・!」




私達だけになったこともあって、みんなお互いを名前で呼んでいた。

だから私も言ってみた。




「瑞希お兄ちゃん、このルートで走るんですか?」

「まぁな。あんまり、サツともめるのはよくねぇからな~」



(怒られなかった・・・じゃあ、良いんだ。)




やっぱり、人目があったから番号だったのね~

その確認もでき、ホッとした思いで話を続けた。




「そうですね・・・相手は警察。手を出し過ぎると、瑞希お兄ちゃん達のお仕事がピンチになりますもんね。」

「ばか。凛が危なくなるからだろう?俺はいいんだよ・・・・」

「瑞希お兄ちゃん・・・・」




ミラー越しで語ってくる優しいお姿に、ドキッとする。

今夜はドキドキしっぱなし。

きっと、これから先もドキドキすると思う。




〔★危険のドキドキもあるだろう★〕