彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「あーあ、行っちゃった!」

「蓮君、こっち見なかったー」

「硬派なんかな?」

「照れ屋ってのもありじゃねぇー?ですよね、タカさん、トモさん?」


「はははは!凛道君なら、両方ありだな!」

「意外とまじめだったからな、凛道さん!」




凛道蓮の来るルートを予測したことで、タカ&トモの立場は強くなっていた。



「さすが、タカ&トモさん!くわしい!」

「情報通の走り屋っス!」

「先輩素敵~!」

「あたし今日は~朝まで先輩達と、いたいかも~!」


「「いやーはっはっはっ!」」



得意げに胸を張る彼らに、周りもおだてる。

浮かれる男2人。

しかし、それは一瞬のことで、すぐに我に返った。




「それはそうと・・・凛道君と一緒にいた奴ら誰だ?」

「爆裂弾じゃ・・・なかったな?」




互いに顔を見合わせてささやき合う。




「暗くてわかりにくかったけど、なんか見たことあるな~最近。」

「俺もそんな気がする・・・・」

「えれー飛ばしてよ~凛道君の仲間か?それとも・・・・」

「ああ・・・知らない人に乗せてもらってるってのもありだよな~あの子、危なっかしいからさー・・・」

「保護しに行くか?放っておけねぇーし。」

「そうだよなーどこの誰ともわからねぇ奴に、凛道さんの運転任せるのは―――――――――」


「瑞希さんだ。」




心配するタカ&トモの言葉を、低い声が遮る。





「瑞希さんだぜ、タカ&トモさんよ。」

「あん!?誰だ――――――――!?」

「なんだって―――――――――あっ!?」




声のした方を振り返り、固まるタカ&トモ。



「え!?ちょっと、うそー!?」

「なんでいるんだよ!?」

「マジかよ、あれ・・・・!」



周囲も同じ反応で答える。




「凛道のバリオス動かしてたのは、真田瑞希さんだろう。見りゃあ、わかるだろう、ボケ共。」

「ボケはオメーだよ、大河!変装してるみてぇーだったのに、本名公表しやがって!配慮がねぇーぞ、テメーは!?」

「よせよ、カンナ!」

「大河も、真田さんのことになると、キレすぎだろうが?」




そこにいたのは、円城寺以下爆裂弾のメンバーだった。