彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「なんか、エンジン音がいっぱいするんだけどー!?」

「おい、ヘッドライトが5つもあるぞ!?」

「バイクに電球巻きつけてるにしちゃ、明かりがデカくないか!?」

「1人じゃなかったの~!?」



「「どうなってんだ!?」」




自分達が話と、聞かされた話と違うことに戸惑う一同。




「なぁ、マジであれが龍星軍なのか!?」

「タカ、トモ、あれが龍星軍か??」

「人数多いぞ?間違えてねぇー?」

「間違いねぇーよ!なぁ、タカオ!?」

「ああ!こっちは、トモキと一緒に凛道君の走るルートを追ってきたんだ!間違えるはずが――――――――――・・・・!?」




バゥン!バッバッバッ!



「あ!近づいて来たぜ!龍星軍じゃないかもしれないのが!」





誰かの叫び声で、タカ&トモ達が反応する。



「くっ、話は後だ!見ればわかる!」

「そうだ!ありゃあ、凛道蓮さんだ!」



そこで彼らの会話は終わる。

全員が道路へと視線を移す。

意識を向ける。

近づいてくる数台のバイクに、その場の全員が釘づけになる。




ヴォーン、ヴォン、ヴォン!!

バルバル、ババババ、バルルル!

フォーン!フォーン!フォォーン!

パラリラ―パラリラ―!




「「「あっ!?」」」




と言う間に、すごい速度でマシンは接近した。





「やっぱり多いぞ!?」





誰かが叫ぶ。

その言葉通り、現れたのは5台のバイク。





「1人暴走族じゃねぇーじゃん!?」

「聞いてた話と違う!」






若者達は見たままの感想を述べると、すぐさまタカ&トモへと視線を向ける。

それを受け、ギョッとしながら2人組は反論する。





「な、なんだよ、その眼!?」

「俺ら嘘ついてないぞ!マジで、凛道君のはずで―――――――――!?」





そう言ったが、その自信は半分以下になっていた。

それでもわずかな望みをかけて、2人はやってきた集団を見た。