彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



私へのいい子いい子を続けながら、仲間へ問いかける瑞希お兄ちゃん。





「なぁ、聞いただろうお前ら!?俺、あたりだろう!?」





これに、様子を見ていたお兄さん達が言う。





「うんうん、瑞希君は賢い賢い。」


そう言って、瑞希お兄ちゃんの言葉を軽くあしらう男前。





「わははは!思い出せたならよかったじゃねーか!『りんどうれん』ね~・・・」


私の私の偽名を口にしながらシミジミとする大男。





「いいなぁ~見た目通り、可愛い名前じゃ~ん!?」


同じく、嘘の名前を信じて笑顔ではしゃぐ綺麗なお兄さん。





「漢字はどう書くんだ?本当に花の名前と同じで、竜と胆(きも)で、『竜胆(りんどう)』なのか?」


そんな男達の中で、眼鏡男がいたって普通の質問をした。





「どんな漢字だ?」

「どんなんだ?」

「どーなの?」

「わはははは!」




どこかノリノリで聞いてくるお兄さん達に、私もつられる形で答えていた。




「はーい!『りんどう』の『りん』の字を取って、あだ名にされてましたー!漢字は部首がさんずいの水部の『凛』としんにょうの『道』っで、『凛道』です!名前は、はすという読み方もある蓮の字でーす。」





我が道を行く。


私、『凛』が。


『凛』の思いのままの『道』を行く。




そんな思い付きで言った、でまかせ。

ノリツッコミ気分で言えば、そうそう!と瑞希お兄ちゃんがご機嫌に言う。





「そういう感じだった!いや~あっててよかったー!」

「はい!」





(本当は、全く違いますけどね・・・)




表面所は笑顔で取りつくろうが、心の中は違う。

天国へと上昇した気持ちが、一気に急降下する。





(奈落に落ちるってこんな感じかな・・・・)





地獄へと落ちる亡者の気持ちを考えて言えば、瑞希お兄ちゃんは告げる。





「名前もそうだけど・・・ある意味、凛のことは、すっげー印象に残ってたんだよな~」

「ええ!?何か粗相をしましたか!?」

「いや、今も昔も礼儀正しいのは変わってねぇーから、粗相とかはねぇーけど・・・。」

「ないけど、なんです!?」





今度は何!?





(どんな勘違いをしてるの!?)





言いにくそうにするお兄ちゃんに食い下がれば、彼は教えてくれた。