彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「タカオさん、トモキさん、意味がわからないんですが!?」

「説明責任果たしてくださいよ!」


「話すと、長くなりそうだからよぉ~あの良い子ちゃんに関しては。」

「悪い子って言いましたよね、タカオさん!?」

「そうそう。あの悪い子について語るのは、かなり大変だな。」

「トモオさんは良い子って言いましたよね!?」

「お二人とも言ってることが真逆になってんですけど!?」




混乱する周囲を見ながら、タカ&トモは互いの目と目を合わせる。




(話してもいいけど・・・・なんかなぁー)

(俺らだけが知ってていいっていう気分で、もったいないんだよなー・・・)




しゃべりたくない、という思いもあって誤魔化した。




「つまりなぁ~凛道君は1人で旗持って、単車運転して、初デビュー走りしてるってことだぜ。」

「たった1人で、ヤンチャしてるってことだ!」


「なんすか、それ!?先輩らだけ、ズルいっすよ!」


「ほらほら、俺らは置いておいて!聞えてきたぜ!」

「このエンジン、凛道さんの単車の音だぞ!」




バルバリバルルルルル!!




2人の言葉通り、コールをきる音が響く。




バウンバウンバウ、バウーン!!


「あ!?もしかして~」

「これって!?」


「「お待ちかねの凛道蓮さんだっ!」」




声をそろえて言うタカ&トモに、ギャラリーの興奮も最高潮となる。




「ついに来たのぉー!?」

「おお、すげー!本物!?」

「あの龍星軍の凛道君が1人で運転して―――――――――――」




ヴォン、ヴォーン、ヴォン!!

バルバル!ババババ!バルルル!

フォン!フォン!フォォーン!

パラリラパラリラーパララー!


複数のエンジン音が響く。




「「あれ!?」」




聞こえて来た音に、違和感を覚えるタカ&トモ。

それは他の若者達も同じだった。