彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





龍星軍目当ての人混みの中、彼らは目立っていた。



「マジで来るの!?タカさん、トモさん!?」

「来るってつってるだろう!?」

「凛道さん、ガチで来るぞ!」



路肩に止めた車の側で、男2人にその友人たちが詰め寄っていた。

タカ&トモだった。

凛と別れてから、どうにか先回りしようとしたが、会えずにいた。



「タカさん、トモさん、途中まで凛道さんに追いついたんですよね?」

「ああ!あのまま、アクセル踏めば、ついて行けかもしれねーけど、黒い特服を着た変なバイク集団に呼び止められてよー・・・」

「おう・・・素手で俺らの車を引き止めやがって・・・・化け物かよ!?」

「まぁ、聞いてきた姉ちゃんが、『凛の身内だっ!』とか言ったから教えたけど・・・・シルキロールの似合う、可愛い子だったぜ・・・なぁ、トモキ?」

「ああ・・・黒は女を美しく見せるってマジだな、タカオ。」




〔★彼らは真実を知らない★〕




その時のことを回想しながらしみじみ語るタカ&トモ。

けっきょく、彼ら4代目を見失ったが、警察の動きで、先回りすることに成功した。

そんな彼らの元に、龍星軍総長を追っかけていた若者達も合流して、今に至るのであった。

これでも、地元では名の売れている2組に、周りは遠慮しつつもくいついた。




「タカさん、凛道蓮ってどんな奴ですか?」

「トモさん、蓮くんって可愛いんですか!?」


「そうだな~見ていて危なっかしいけど、ヤンキーらしくないいい子だなー」

「見た目、ジャニーズだと思うぜ。顔半分隠してたからなー」


「けど、飛翔連合とか病院送りにしたんでしょう?」

「凶悪じゃないんすか?」


「「ああ、それはー・・・・」」




その質問に、声をそろえて、複雑な顔でタカ&トモは答えた。




「「悪気はなさそうだった。天然ぽかったから・・・」」

「「「「て、天然!?」」」」




その言葉に、ざわつくギャラリー達。



「きっと、事故だったと思うぜ。ケンカ売られたのも、やり返したのも。悪い子だったが。」

「事故だろうな。それも性質の悪い無自覚系だぜ。いい子だったが。」

「ええ!?どっちですか!?」


「「いずれ、わかる時がくる。」」




〔★2人は答えを丸投げした★〕