彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「なんでヤンキーが、航空ショーで使う煙を持って・・・ゴホゴホ!」

「うあ!?フジバラさん!この煙、痛いですよ!?」

「しまった!窓閉めろ!これは、催涙ガスが混じって・・・ゲホゲホ!」

「バラさん!これ絶対、胡椒も入れてますよ!?ハークション!」



「あーん、おまわりさんみんな大正解~凛ちゃんにネタバレできなくてざんねーん!」

「そういう問題ですか!?」

(絶対、航空ショーの煙じゃないよ!あれは!?)




〔★改良された形跡があった★〕




きゃははは♪と笑うオネェさんの背後で、激しいブレーキ音が響き渡る。



キッキー!

ギィー!

キキッ!!



「馬鹿!前見ろ!」



「見えないんだよ!」

「うわ!こっちに寄せるな!」

「ぶつかるだろう!」




途端に、騒ぎ出すおまわりさん達。

後ろは大混乱におちいる。




「なにしてる!?ちゃんと運転しろよ!」

「何も見えないんだよ!文句言うなら、運転変われ!」

「ゲホゲホ!くそ!視界だけじゃなく、鼻も!」

「く、くそったれー!」


(うわ・・・・)




右往左往するパトカーの群れ。

口々に味方を罵(ののし)り合い、ケンカするおまわりさん達を見て思う。

警察もヤンキーもそんなに変わらないんじゃないか、と。




「落ち着けお前ら!慌てるなっ!」




中でも、一番警察らしくないおじさんが声絵を荒げる。




「たかが煙、仲間同士でもめてんじゃねぇー!俺の声、聞こえてるだろう!?」




この状況で、必死になんとかしようとするフジバラのおじさんは、さすが警部さんだと思えたけど・・・




「ダ、ダメです、バラさん!統率がとれません!無理です!」



肝心の部下は、あきらめモード。

荒川からの言葉に、それでも頑張るおじさん。