彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「よーし、じゃあ仕切り直すか!?」




ポーとしている私から手を離すと、ハンドルへと手を戻す瑞希お兄ちゃん。

その指がコールをきる。




バリバリバルルル!


「3号!」




後ろにいるモニカちゃんを、呼ぶように鳴らされた。

それで、背後で蛇行運転していたモニカちゃんが反応する。




「OK~!携帯みたいに、乗り換えできたのねー!?」


「乗り返って・・・ああ!?4代目総長と黒子1号の位置が逆になってる!?」

「やられた!走行中に乗り換えたか!?」

「ええ!?そんなことできるんですかー!?」

「現に、オメーの目の前で変わってるだろう、ボケ!?」

「ひど!?それ、パワハラですよー!?」


「おほほほほ!仲がよろしいことで~それじゃあ―オサラバよん!」



バルバル、ババババ!




言い争う警察を笑うと、モニカちゃんがスピードを上げる。





バルバルバルバルーン!





「あー!?逃げましたよ、フジバラさん!」

「合流する気か!?」


「おまた~!」




刑事たちの予想通り、モニカちゃんも追いつく。




「凛ちゃんお待たせ!モニカちゃんの帰還よ~」

「お、おかえりなさい。」

「ただいまん!うふふふ!まるで新婚さんみたいなやりとりね~今のは!?」

「まったくそんな要素はねぇーぞ、モニ・・・3号!全員そろったし、置いてくか?」

「え?なにをですか、1号さん?」




私の問いに、彼は目元をゆるめながら言った。



「おまわりさん。」

「お、おまわりさん!?」

「凛!しっかり捕まってろよ!ターボ全快にすっから!」

「ターボって!?」

「わはははは!俺様がつけてやったジェット機並みの速さの出る特別装置だぞ、凛助!?下手な運転だと死ぐれー速いんだぜ~!?」

「はあ!?聞いてないんですけど!?てか、死ぬ可能性があるんですか!?」

「そりゃあ、凛たんへのサプライズだからな~あ、瑞希!そこの赤いボタン押せばいいから!」

「お、この飾りみたいなやつか?」

「そうそう、それ!」

「って、なんで烈司さんが知ってるんですか!?」

「2号さんだよ、2号さん。俺もつけるの手伝ったからさ~」

「なにしてくれてんですかっ!?」




〔★ツッコミどころが満載だった★〕