彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんが発した言葉で、マスクの下の私の顔が引きつる。


え?なにそれ?え?




(何故私を見ながら、花の名前を言う!?)





必死で相手の言葉を理解しようとした。

そしたら、親切にも解説してくれた。





「こう、キリっとした名前だったからなよ~バッチリ覚えてたんだ!なぁ、りんどう!?」





しつこいぐらい、キリッと!という部分を強調しながら言う姿。

満面の笑みで、春風でも起こすんじゃないかというぐらいの極上の笑みで言われる。





「どうした、りんどう?急に黙り込みやがって?」

「そっ・・・・」






それ私のことかぁぁぁぁ――――――!!?





〔★瑞希の究極の勘違い発言炸裂★〕
〔★凛は化石化した★〕



「あ!?もしかして、庄倉とやる前にどっか怪我してたんか!?つーか、お前の怪我の手当てまだだったよな!?痛いところあるなら、遠慮せずに言えよ、りんどう!」



(わ、私かぁ!?それ、わたしのこと!?)






「りんどう?どうしたんだ、りんどう??」



(私のことなのね――――――――――!?)






りんどう、りんどうと、連発する瑞希お兄ちゃん。



(間違いない!この人、私のことを、性別同様、間違って覚えてやがるっ!!)





ヒクヒクと引きつる顔をしていれば、心配そうに言われた。





「りんどう、どこか具合でも悪いのか?我慢しなくていいから・・・言ってみな?」

「うっ!?」



〔★瑞希は凛に向け、憂い光線を発射する★〕
〔★凛は身動きが取れなくなる★〕





「マジでどうした、りんどう・・・?俺、なんか悪いことしたか・・・?」




捨てられた子犬のようにささやかれる。

悲しい顔をされる。

悲しませたくない。






「いいえ、私は無傷ですので、ご心配なく。」




未来お兄ちゃんが言う、キリッとした表情を作りながら告げる。



「りんどう、無事です。りんどう、ですから。」

「ホントかよ・・・?やせ我慢してないか、りんどう?」

「大丈夫です。りんどう、大丈夫です。りんどう、ですから。」




〔★凛は誤解を解くタイミングを捨てた★〕