「２号！準備良いかー？」
「はいはい、いつでもどーぞ。」
ヴォーン！！
瑞希お兄ちゃんの呼びかけに、烈司さんが暢気な口調で言う。
さっきみたいに、近い距離までバイクを横付けする烈司さん。
（なにをするんだろう・・・？）
「じゃあ、いくぞ！」
「せーので、こいよ！？」
「わーてる！」
「そんじゃー」
「「せーの！」」
バッ！ストン！！
「ええ！？」
掛け声に合わせて、単車が軽くなる。
何故軽くなったのか、見ていたこともあってわかった。
「乗り移った！！？」
私の後ろから烈司さんの後ろへと乗り換える瑞希お兄ちゃん。
「すごっ！？」
「あはははは！そんなにすごいか、凛？」
「すごいですよ！普通は、出来ませんよ！？」
「感想はいいから、お前も動け、凛道。」
「痛っ！？」
興奮していたら、ポコッと旗の先でたたかれた。
「今度はお前だ、凛道蓮。」
「ぼ、僕？」
（どうしろっていうのよー冷徹眼鏡！？）
ズキズキする頭で聞けば、眼鏡とは違う素敵な声がした。
「そうだ凛！俺がいた場所に移動しろ！」
「え！？」
言ったのは、瑞希お兄ちゃん。
（瑞希お兄ちゃんがいた場所ってー・・・・・？）
考える間もなく、答えはすぐに出た。
「後部座席！？」
「そうだ！身体をずらすようにして下がれ。」
「ええ！？」
あり得ない移動先に、声がうわずる。
それに対する返事も、すぐに出た。
「無理無理無理です！バイク動いてるのに！」
「大丈夫！皇助が固定してるから。」
「俺様を信じろ～凛助～？わははははは！」
「もっと無理―！！」
信用できない人からの言葉。
〔★勇気のいる決断だった★〕
拒絶すれば、ヘビースモーカのお兄さんも声を出す。
「凛たんならできるって！お守りあげただろう？」
「いやいやいや！お守り貰いましたけど～」
（イマイチ、ご利益がない！）
〔★烈司に失礼である★〕
「さっさとしろ、グズめ。自分でできないなら、皇助にしてもらうか？それで落ちても、責任は持てんがな。」
「・・・・・やります。」
〔★伊織からの脅し、凛は拒否権を放棄した★〕
