彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





助手席から顔を出す岩倉の後ろで、後部座席の窓から体を出しているフジバラ警部。

その姿に呆然とする私。



「な・・・・・・なんでいるの!?」

「簡単だ。」



私の疑問に、獅子島さんが静かに答えてくれた。



「事故を起こして動けないバラさんを、親切な後輩が拾ってから、俺達を追いかけてきてるというところだろう。」

「しぶとっ!?」




〔★執念とも言えた★〕




「だっはっはっはっ!残念だったな、凛道蓮とゆかいな仲間達!?このまま、刑務所へ行こうぜ!?」

「それを言うなら、児童相談所じゃないんですか!?しつこいおじさん!」

「凛!それを言うなら、少年鑑別所だ。多分・・・」

「え、そうなんですか?」



私の発言を、さりげなく訂正してくださった瑞希お兄ちゃん。

自分の知識のなさを知ると同時に、私の方でも修正をかけた。




「ごめん、おじさ-ん!間違えました!正確には、少年鑑別・・・!」

「って、わざわざ訂正して謝ってくるな!!つーか、普通は言い直さんぞ、天然小僧め!」

「それが凛の良いところだ!この不良デカが!!」

「1号さん・・・!」

「何が1号だ、瑞希!どこまで過保護だ、オイ!?」

「フジバラさん!あの子が、凛道蓮なんですか!?」




瑞希お兄ちゃんが私をかばったところで、フジバラのおじさんのツレが戸惑いながら言う。




「そうだよ!オメーが散々補導しようって言ってた悪ガキだ、岩倉!」

「悪ガキって・・・・・・・・なんだか、聞いてたのと違いますね~・・・雰囲気的に児童相談所の方が、僕もいい気がします!」


(児童相談所って・・・?)




〔★少年鑑別所よりも、軽い罪で済む場所だ★〕