彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





(凛道蓮と初代龍星軍・・・・・!)



やってくれたなこの野郎。

あの曲者5人に気に入られただけでも大したもんだが、めっちゃ大事にされてんじゃねぇか!?



(これでハッキリした。あいつらが、凛道のために動くってことが・・・)



例え、直接手を下してこなかったが、テメーも同罪だ、凛道蓮。




(そうさせるだけのカリスマが、オメーにある以上はな・・・)





「ええ!?そんなふざけた真似をされたんですか!?」

「すまん。面目ない・・・」

「そんな!荒川先輩は悪くないですよ!フジバラさん、こうなったら今夜絶対にー!」




話を聞き終えた岩倉が叫んだのと、俺がそれを見つけたのは同時。



「――――――――――――いた!!」

「バラさん!?」

「え!?どこが痛むんですか!?」



まだ気づかない部下達に俺は言った。





「龍星軍だ!」





前方に光るかすかな光。

5つの明かり。



「おい、飛ばせ!上限まで上げろ!」

「え!?しかし・・・」

「責任は俺がとる!ぶっ飛ばせっ!!」

「は、はいい!」




俺の声に従って、パトカーが加速する。

それでやっと、他の奴らもわかった。



「あ!?あれは・・・・バイクの!?」

「ああ!間違いなく、さっきの奴らだな!」

「すごい・・・・よくわかりましたね、フジバラさん・・・?」

「へっ!追っかけ歴は、オメーより長いからな!」




岩倉が妙に納得した面をしたが、どうでもいい。

俺が見ているのは龍星軍だけ。

今のターゲットは、凛道蓮のみ。



「そ、そこ!前のバイク5台、止まりなさい!!」



だから、普通は家内助手席の窓を岩倉が開けて、凛道蓮たちに向かって怒鳴った時。

少しだけ気分がよくなった。