彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





のろのろ運転をする車の助手席のドアから手を離す。

代わりに、後部座席のドアを開けてに乗り込む。

そしたら岩倉は、俺へと振り返りながら叫ぶ。




「個人の感情で、捜査の参加を決めないでください!龍星軍に目をつけていたのは、フジバラさんだけじゃないですからね!?」

「ああ!?なんだ、その口の利き方は!?」


「岩倉っ!!捜査を指揮をとってる方になんて言い方してるっ!?」

「あ、荒川先輩!?」



ガチャッと言う音がしたと思えば、俺の隣に荒川も乗って来た。



「お前、パトは?」

「他の者に任せました!俺達は追跡を続けましょう。」



そう言って俺を見た後で、岩倉を見る荒川。



「荒川!フジバラさんのモラハラも悪いが、お前も悪い!立場をわきまえろ!」

「あ、荒川先輩!僕はー!」

「お前が一生懸命してるのはわかってるが、組織が機能しないと解決しない問題もあるんだぞ!?ましてや、お前は刑事になって何年だ!?現場をどこまでわかってる!?」

「それはー」

「今のお前は、先陣を切ることに夢中で、現場を把握している先輩の指示を拒否した!フジバラさんは無責任に行動はしてない!お前はそのフジバラさんに代わって、すべての責任を持って指揮を取れるのか!?やれるわけがないだろう!?」

「・・・すみません。」

「わかってるならいい。感情に流されるんじゃない。バラさんも・・・これでかんべんしてもらえますか?」



「たく・・・内も外も、面倒なガキばっかりだぜ・・・!」




一番の部下に従う後輩に呆れる。

しかし、すぐに気持ちを切り替えた。