彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





拝みながらバイクを走らせる私に、後ろで旗を持っているお方が言った。



「全員そろったな!」

「瑞希お兄ちゃん?」

「凛もオメーらもよく聞け!この先のトンネルの前で、左に曲がる!それが変更コースだ!」

「え!?トンネル・・・・ですか?」

「ああ!ホントは、トンネル通って大通りを突っ切れば速いんだけど・・・トンネルだと、囲まれたら逃げようがないだろう?」

(逃げる?)

「なにに?」

「はあ!?何って凛!?」

「オイオイ、凛たんかんべんしてくれよ。」

「いくら、あたしらが倒したからって、今のでおまわりさんの追跡が終わりってことじゃないのよ?」

「増援でこっちに向かってるんだぞ。脳みそも小動物か、馬鹿者が。」

「わははははは!」


「え!?ああ!そういう意味でしたー」




〔★凛は意味を理解した★〕
〔★瑞希達は、凛が意味を理解したことを理解した★〕




「そういう意味って、凛・・・・天延だが、忘れっぽいのか・・・」

「うーん、そこが凛たんの良いところであり、悪いところであり・・・」

「いいじゃない!可愛いわ、守ってあげたい!」

「可愛いだけじゃ、世の中生きて行けん!4代目として、俺達の後継者と言う自覚を持たんか・・・!?」


「す、すみません!」


「わはははは~!おーい、オメーら聞け!」




呆れる瑞希お兄ちゃん達を前に、小さくなっていたら大きな奴が叫ぶ。



「凛助、また来ちまったぞー!わはははははは!」

「え?」

(また?)



百鬼の言葉の後に、嫌なメロディーが流れてきた。




ファンファンファンファンファーン!



「えっ!?嘘!?」

「パトじゃねぇ・・・!?」




私が振り返ってギョッとすれば、みけんにシワを見せた瑞希お兄ちゃんが言った。