彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「さすがにこれは打ち返せまい。」



そう語る彼は、ロケット花火を束で持っていた。

それも、おじさん達パトカーへ向けている。

予告もあったので、彼が何をするか私でもわかった。

私よりも先を読んでいるであろうおじさんは、ひどい顔で叫んだ。




「荒川!スピードあげろ!よけー・・・・!」


「遅い。」


ジュゥ!!




パトカーがよける前に、獅子島さんの花火達に火がつく。






「クーリングオフなのでご注意を。」






ニヤリと・・・・見えたわけじゃないのに、笑った気がした。

まるで、ドSのすべてを集めたかのような笑み。

毒々しくも、楽しそうな声で言った。




「祝・4代目総長。」

「この場面で祝辞!?」




私のツッコミに構うことなく、獅子島さんは火をつけた。




カチャン!



ヒューン!

ヒュヒューン!!


パパーン!!



「「――――――――――――うわああああああああ!!」


「あ。」




とつぶやく間に、無数のロケット花火は車内へと飛び込んでいた。




バチバチバチバチバチ!!


「伊織!テメーこの野――――――!?」

「まだまだあるので、遠慮するな。」


ヒューン、バチバチ!



「あつつつっ!?バラさーん!」


バチバチバチ!ヒューヒュー!


「ば、ばか!やめ―――――――――!?


バチバチバチ!


「あちちちち!」

「だー!熱い、熱い!?」


「はははは。とどめだ。」

「まだするんですか!?」




私のツッコミを無視して、冷静に獅子島さんは動いた。

未開封の箱を取り出すと、迷うことなく箱の上部分に火をつける。



(ああ!?)




と思う間に、ポーンと箱に入ったロケット弾を投げ入れた。



ヒュヒューン!!

バチバチバチっバチ!

ドドーン!!



「あ!?」


「「だあああああああああああああ!?」」」



まぶしい閃光を放ったかと思うと、パトカーは完全にコントロールをなくす。




「荒川―!ブレーキ!!」

「かけてますぅぅぅぅぅぅー!!」




その声もむなしく、パトカーは近くの畑に落ちた。



――――――――――――ドッガーン!!




「ああ・・・・・」


「フン・・・・思ったよりも時間がかかったな。」


そう語る獅子島さんからは、後悔とか後ろめたさは全然感じない。


(むしろ、達成感みたいなものが出てる・・・!)


「次は、もう少しサイズを大きくしてもいいかもな・・・・」


(次があるの!?)




準備できてる時点で、危ないと思った。




〔★続続・良い子は真似してはいけない★〕