彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





ふてぶてしく笑う野獣に、顔が引きつる。

そんな私とは反対で、瑞希お兄ちゃんは嬉しそうな表情で言う。



「遅かったじゃねぇーか、皇助~!?散歩かよー?」

「わははははは!ナターシャの奴が同伴してくれって、うるさくてよ!俺の財布が目当てだぜ、あのアマ~!?なぁ、凛助!?」

「僕に話を振らないでください!わかりませんから!」

「わははははははは!お子ちゃまの凛助には早かったなぁー!?」



私の答えに大声で笑った後で、百鬼は言った。



「わはははははは!凛助~俺様に言うべきことがあるだろうー!?」

「助けて頂き、ありがとうございます。次からは、歩道橋から飛び降りるのは危ないので、おやめください。」




〔★無駄のない返事だった★〕




「わははははは!いっちょ前に、お礼と説教を混ぜてんじゃねぇぞ!俺様が聞きたいのはそういうことじゃねぇー!!」

「え?では、なんと?」

「お帰りの言葉がまだだぜぇ~~~!!?」


お帰りって・・・




(意外だ・・・そういうこと求めるキャラなんだ・・・)




その言葉で、少しいら立ちが収まる。

だから、出来るだけいい声で言った。




「お帰りなさいませ、百鬼さん。でも、あまり無茶しないでくださいね?」

「わっはっはっ!なんかしたか、俺様~!?」

「バイクでパトカーの上に飛び降りるのは、無茶です。」

「あんだよぉ~わはははははは!そうしなきゃ、凛助も1号もパクられてただろう~!?」

「う!?そ、それは・・・」

「凛助のことだから、テメーをポリに捧げて、瑞希を助けようとしたんじゃねぇーか~!?わははははは!」

「そ、そんなことは!?」

「してねぇーよ。」




ニヤニヤしながら言う百鬼に、瑞希お兄ちゃんが冷たく言う。




「凛はそんなことしねーよ。」

「・・・お兄ちゃん。」

「凛は、なんでもねぇー黒子1号のためにパクられようとしただけだ・・・誰が誰とかんけーねぇーよ。」



ポン。


「あ。」




その言葉と一緒に頭に手を置かれた。

首を動かして振り向けば、呆れるような顔で微笑んでいた。