彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「ぼ・・・僕がバイクを止めて、自首します。ですから、その間に逃げてください。」

「・・・は?」

「だ、だって!狙いは僕でしょう!?僕のせいで、瑞希お兄ちゃんまで怪我したら―――――!」


「上等。」

「え?」




そう言われた瞬間、ギュッと抱きしめられる。

いつもより力が強くていた。

でも、その痛みが私の恐怖を紛らわせてくれた。





「俺は今夜、凛と心中する気で来てるんだ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・」

「俺のためなら死んでも構わねぇーていうなら、俺も凛のためなら死んでも構やしねぇーんだよ。」

「あ・・・」




優しく、力強く言うと、私の肩に頭を乗せる。




「まだ、諦めるのは早いだろう?うちは代々、あきらめの悪さが売りなんだぜ?」

「瑞希お兄ちゃん・・・・!」

「現に、あきらめの悪い奴らが来てくれたぜ?」

「え?」




そう告げる彼の手が、ミラーを指さす。

接近するパトカーを気にしながら見れば――――――――





「けっ!転倒に備え、4代目を抱きしめてやってんのか、初代さんよ!?そのまま、2人まとめて警察病院へ―――――――」


「わはははははははははは!!!」



ボォォォォォオオオオオオオン!



「な!?」





おじさんの声をかき消すように、笑い声とエンジン音が響く。




「な、なに!?」

「このエンジン音は―――――!?」




戸惑う私とおじさん。




「やっと、来やがったか!」

「え?」




響く爆音に、瑞希お兄ちゃんの声が明るくなる。

その意味を聞き返す前に、後ろの人が叫んだ。




「あ!?バラさん!あれ!」



おじさんの隣にいた、運転席の人だった。

大口を開けて言った。





「上にっ――――――――――――!?」


(上?)





上、と言った。

ミラーに五指に、運転している人の視線をたどる。

彼は、私のミラーに映らない部分を見ていた。





(なにがあるの・・・・・!?)





その先が気になった。

反射的に、目だけで振り向く。

見上げた。