彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




相手を認識した同時に、別のことにも気づいた。



(このおじさん、本当にパトカーで飛び出してきた!?)




〔★瑞希達の言う通りだった★〕




わかったのはそれだけじゃない。



「ちょっと、おじさん!おじさんなの!?僕らにパトカーを、体当たりさせたのは!?」




パトカーの前方が凹んでいる。

瑞希お兄ちゃんが乗っているシートの後ろも凹んでいる。



これに対しておじさんは――――――――――



「それがどうした!?」



変わらぬ態度でさらっと言う。

それで悟れた。



「わざとぶつけたの!?」




〔★確信犯だった★〕





怒りを込めて言えば、同じように怒り顔でおじさんは言った。




「だったらなんだ!?ノーヘルとスピード違反と傷害のもろもろで、お前を―――――――」



ブオーン!


「へ?」





固まる私に構うことなく加速すると―――――――






「――――――――――――逮捕するっ!!」



ドンっ!!






私のバイクの後部座席に、自分が乗るパトカーをぶつけてきたおじさん。



「きゃっ!?」

「うお!?」



衝撃が、私と瑞希お兄ちゃんに走った。




〔★迷いのない一撃だった★〕





ズギャン!ズギャギャギャ!!



規則的に回っていた歯車がブレる。





「――――――――あああああああああああ!?」

「り、凛!」


「凛たん!みー・・・・1号っ!!」




車ごと体当たりされたことで、私のバイクはバランスを崩す。

叫ぶ私と、瑞希お兄ちゃんと、ついでで烈司さん。





(こ、こけちゃ!このままだと、瑞希お兄ちゃん付きで倒れる!!)



そんなのイヤー!



(せめて、瑞希お兄ちゃんだけでも助けて神様―!)




「凛っ!!」




神様に頼んだ瞬間、名前を呼ばれる。

同時に、背後から体重をかけられた。





「凛!!」

「え!?み、瑞希お兄ちゃん!?」

「くっ・・・・後部座席での操縦はムズイな・・・・!?」




見れば、私を旗ごと抱きしめて、私の代わりに単車を操縦していた。

垂直で倒れそうなバイクを立て直していた。