彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「大丈夫か、凛~?なんか、フワフワしちゃってるけど?」

「えへへへへー!大丈夫っですよぉ~?」




後ろから私の体にしがみつき、バサバサと旗をなびかせながら聞く瑞希お兄ちゃん。

おかげで、シルキロールの下はにやけっぱなし。



(口元を隠しておいてよかったー!こんな顔見せられないもん!)




〔★誰も見たくないだろう★〕




「凛が良いって言うならいいけど・・・目も危ねぇー気がするけど・・・まぁいいか。」



〔★『まぁいいか』で、すませてはいけない★〕




私の様子を見た後で、瑞希お兄ちゃんはお兄ちゃんなりに納得をする。

それから背後へと振り返る。




「伊織!ルートは、どの辺で変えるんだ?」

「この先のトンネル前だな。」




私達の後ろを走る獅子島さんに瑞希お兄ちゃんが聞く。

これを受け、獅子島さんがいつもより慎重な口調で言う。




「今の段階では、走行場所はバレていない。しかし、俺達がこの道を使っていることは知っているだろう。だったら、そこがベストだ。お前らもどうだ?」

「異議ナーシ。」

「あたしも賛成~!でもさ、用心した方はいいわよね、1号ちゃん?」

「まぁな・・・この辺りが特に注意しねぇーと。いきなり、パトカーが出てきてもおかしくないんだよな~」

「え!?いきなりですか?」




瑞希お兄ちゃんの言葉で、思わず周囲を見渡す。

建物も多いが、階段も多い。




「ここ・・・住宅街・・・団地ですよ?」




狭くて、街灯もあって明るい。

おまわりさんが見回り強化してるようには見えない。




「そうだな。公園も近くにあるから、車は道路しか通れねぇけど・・・少し先の道が面倒でな。」

「面倒・・・・ですか?」

「ああ。抜け道があったり、外灯が減ったりで、死角になっちまう場所が多いんだよ。」

「死角・・・・じゃあ、そこで待ち伏せしてるんですね!?カンナさんが言ってましたよ!交通違反の切符を切る時みたいに、パトカーが隠れてるって!?」


「甘いぞ、凛道。」

「獅子島さん?」




私の問いに、グラサンを直しながら獅子島さんが言った。