高鳴り続ける鼓動が、さらに早くなるのを感じる。
そして、あの時と同じ、真剣な目で言われた。
「俺もあれから、ずっとお前が気になっててな・・・。親元に帰ってからも、親の期待や都合で、またプレッシャー感じてんじゃないかと思ってな。」
「し、心配してくれてたの!?」
「ああ。」
思いがけない言葉。
「心配にもなっちまうな。」
私の問いに、口元だけで笑うと言った。
「お前は、本当に悪くないからだ。」
私をじっと見つめながら、強く静かな口調で語りかける。
「お前は何も、悪いことをしていない。大人の顔色ばっかり気にするようになったのも、お前が元々優しいからだ。でも、いつまでもそうじゃいけねぇ。時には、自分を守るために反発することも必要だ。縮こまるんじゃないぞ。」
「瑞希お兄ちゃん・・・!」
「って・・・言ってやればよかったって・・・ずっと気になってたんだ。」
「そこまで・・・私を・・・!?」
言われたことが、内容が、信じられなくて聞き返す。
それに彼は優しく答えてくれた。
「遅くなっちまったけど、やっと言えたわ。まぁ・・・俺がそんなこと言わなくても、お前はちゃんと強くなっててよかったけどな?」
「み、瑞希お兄ちゃん!そこまで私のことを・・・うう!」
会えてよかった。
また出会えて、本当によかった。
優しくしてくれた人だから、甘えさせてくれた人だからというわけじゃなった。
「は、初めて・・・ちゃんと理解してくれた人だったから・・・!」
私という人間の話を聞いてくれた人だったから、会いたかった。
「会えてよかった・・・!」
「俺もだ・・・。」
とまらない涙をこぼしていれば、瑞希お兄ちゃんが涙を拭いてくれた。
柄は違ったが、あの日と同じバンダナだった。


