彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「あのおじさん、僕はタバコを吸わないのに、火がつく道具を持ってるかどうかだけで逮捕しようとしたんですよ!?」




タバコが吸えなくて困っている人を装って近づき、強引に証拠品を奪おうとしたおまわりさん。

証拠を作ろうとしたデカ。



「幸い、つまようじしか出てこないライターだからよかったですが・・・!そんな強引な理由で捕まえようとする人が、僕だけで終わらせると思いますか!?」



感じた不安。




「凛・・・・?お前、なにが言いた―――――――?」

「だ、だから!」



否定できない最悪の未来予想を伝えた。





「僕と一緒にいる瑞希お兄ちゃん達を捕まえないはずないじゃないですか!?」

「!?」

「「「・・・。」」」




私の言葉に、少し驚いた顔をした後で黙る瑞希お兄ちゃん。

他の先輩方に関しては、とてもシリアスな顔で私を見たままだった。

それで気まずい雰囲気になったけど、その空気を跳ね返す思いで言った。




「集会をキャンセルすることはできないと思いますので・・・・・・・・・これからは、また僕一人で走ります!どうかみなさんは、黒子ファイブの変身を解いて普通の男の子と女の子に戻ってください!」

「凛!?」




本当は嫌。

せっかく、瑞希お兄ちゃんが一緒に走ってるのに、お帰り願うのは嫌。

側にいてほしい。

真っ暗で長い道のりを、1人で行くのは嫌。

だけど、彼らの人生を考えれば―――――――――





「ありがとうございました・・・お帰り下さい・・・・!」


(逮捕されて、今まで努力をリセットさせたくない!!)





バリスタで頑張って瑞希お兄ちゃんの邪魔をしたくない!

他の人達のことだって・・・・!




「あ、あそこ!あのあたりで、単車止めますから!止めたら、瑞希お兄ちゃん降り――――!」

「降りねぇよ。」


グイッ!


(え!?)




私が最後まで言う前に瑞希お兄ちゃんが言った。

背後から、強く、しっかりと、私に密着しながら言った。