彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「つまり、瑞希達は知り合いで正解だったわけか?」



「そういうことだ!なぁ~?」

「うんっ♪」





なんとか、瑞希お兄ちゃんに私のことを思い出せてもらえた私。

話の成り行きを静観していた瑞希お兄ちゃんの仲間達の問いに、私をヨシヨシしながらうなずく瑞希お兄ちゃん。

私も私で、瑞希お兄ちゃんの腕の中、何度も首を縦に振って答える。


好きな人に抱きしめられるというシチュエーション。

文句があるとすれば、カウンター越しなので姿勢がきついこと。





(瑞希お兄ちゃんがこっちにきてくれれば、もっと密着できるのに~)





さすがに、自分から行こうとは思えない。

図々しい気がするので。





(だから、頭を撫でてもらうどさくさに紛れて、顔を押し付けるの~♪)



〔★それも図々しい行為だった★〕




「それで?なんで『迷子と保護者の関係』になったんだ、オメーらは?」

「ああ・・・それは・・・」





タバコのお兄さんの問いに、瑞希兄ちゃんは私を見る。

遠慮するような表情で、私へのプライバシーを気にしているのだとわかった。

瑞希お兄ちゃんの優しさに感動しつつ、無言で首を縦に振った。

私からの声を出さない意思表示。

それで、瑞希お兄ちゃんの口が動いた。






「実はなー・・・・」






お互い、隠す理由もなかったので事情を説明した。

それに耳を傾けてくれる他の4人。

私の話が出たと同時に、当時の瑞希お兄ちゃんのことも聞けた。






「いや~集会行く前に、腹減ったからコンビニに寄ったんだ。そしたら、真夜中なのに身なりの良い子供が泣いてたからよ~声かけたんだ!」


「よく声かけたな。」

「特攻服姿で、よく声かけ出来たな。」

「普通は通報されるな。」

「わははは!よく通報されなかったなー!」



(そっかー・・・・本当だったら、御用になることだったのか・・・)





彼らの言葉で、当時を振り返る私。



(瑞希お兄ちゃんだったからよかったようなものを・・・考え方によっては危なかったのね。)



〔★凛は遅い危機感を覚えた★〕




「そうなんだよな~世知辛い(せちがらい)世の中でよー誰もこいつに声かけなくてな・・・」





皮肉っている仲間達に気づくことなく、瑞希お兄ちゃんは語る。





「そうなったら、俺しかいないだろう?保護できるのは? 聞けばこいつは、親の喧嘩のまき沿いで家出したんだぜ?子供をサンドバッグにするとか、最低じゃねぇか!」

「瑞希お兄ちゃん・・・」





彼から紡ぎだされたのは、私を擁護(ようご)する言葉。

その姿は、6年前とダブって見えた。