彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「落ち着いて、し・・・4号さん!1号さんは、天然なだけじゃないですか!?」

「天然って凛~!凛の方が、本格的なて―――――・・・・!」

「――――――1号さんは、黙っててください。わかりますよね、4号さん!?お付き合い長いから、わかりますよね!?1号さんのそういうところっ!!?」


「・・・・・チッ!真田瑞希という男は、いい弟を持ったな・・・・!」




不機嫌になった獅子島さんをなだめれば、舌打ちしながら言われた。




「まったく!それというのも、凛道!貴様が話を脱線させたのが原因だぞ・・・!?」

「僕に怒りを向けないでください!瑞希お兄ちゃんに向けない分にはいいですけど!」

「凛!?そこまで俺のことを思いやってー!?」


「ええい!青春ドラマはやめろ!俺が聞いていたのは漫談ではない!人の声ではあるがなっ!」


「え?ラジオですか?」

「違う!!いい加減にしろ、小動物が!俺が聴いているのは、警察無線だ!」


「警察無線!?」




〔★違う電波だった★〕




ギョッとして振り返れば、不服そうな顔で言われた。




「そうだ。イヤホンの先は、警察無線が拾える機械とつながっている。奴らの情報を集めていたのだ。」

「な、なぜそんなことを!?」

「今夜はパトカーが多い。なぜかわかるか、凛道?」

「え、えーと・・・」




出された質問に答える前に、





「・・・凛だろうな。」

「え!?」






答えは出た。

私の口からではなく―――――――





「1号さん!?」

(瑞希お兄ちゃん!?)





私を背後から見守る好きな人から。

ギョッとする私に、瑞希お兄ちゃんがささやく。