彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「ちょ、イオリン!?凛ちゃんは今、あたしとお話してる途中~!?」

「ならば強制終了だ。後にしろ。」



それでモニカちゃんが嫌な顔をするが、お構いなし。



「そして俺のことは4号と呼べ、3号よ。」

「なによぉー意地悪!」

「俺が用のあるのは、『総長』だ。」



ぴしゃりと切り捨てるように言うと、私との単車同士の距離を縮める獅子島さん。




「4代目、ルート変更の危険が発生した。」


「ええ!?」


「へんこぉ~!?」

「マジかよ・・・」

「伊織、詳しく話せ!」




後ろを走っている獅子島さんからの言葉に、私だけじゃなく、他の3人の表情も変わる。

離せと言った瑞希お兄ちゃんに答えるように、獅子島さんは片耳に手を当てる。

それで気づく。

彼がイヤホンをしていることに。




「獅子島さん、いつからイヤホンをつけてたんですか・・・!?」

「4号だ、ヒヨっ子総長め。お前の背後のポジションについた時からだ。」

「ひよ・・・・」

「必要だからつけているだけだ、ヒヨコ。」


ヒヨコって・・・・



(ハムスターの次は、ヒヨコ!?何で全部、小さい生き物ばっかりなのよ!?)




〔★凛はなにかに気づきそうだ★〕




言いたいことはあったけど、今の優先順位はそっちじゃなかったので言葉を飲み込む。


今聞くべき事を聞いた。



「そ、そうでしたか・・・そういう事情なら、わかりました!」

「ほお、どうわかったという?」

「あれでしょう?僕の後ろについた時から、音楽を聴いてたんですね。」

「わかっとらんぞ!?」




〔★ハズレだった★〕




「あはははは!凛、それはないぞ~?」


「え!?違うんですか!?」

「当たり前だ!なぜそうなる!?お前は俺がのんきに音楽を聴いとるのかと思っていたのか!?」

「その・・・落語は聴いてないと思ってました・・・」

「聞くわ、ばか者!立川一門なめるなよ!?」

「聞くんですか!?しかも、お気に入りも決まってるんですか!?」




〔★しぶい事実だった★〕