彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「ご、ごめんなさーい!お兄ちゃ~ん・・・!」

「あーあ、傷ついたぞーお兄ちゃん?」




眉をひそめる瑞希お兄ちゃんに、ペコペコ謝る。

それを意地悪そうな顔で見てくる瑞希お兄ちゃん。




「マジで、凛に嫌われたと思ったぞー?凛は、お兄ちゃんのこと嫌いなのかー?」

「い、いえ!めっそうもございません!そんなこと言ってないですよー!?そんなつももはまったくないです!」

「ホントかぁ~?」

「ホントですよーごめんなさーい!怒らないでくださ~~~い!」

「どうしよっかなぁー?」

「おにいちゃーん!」




ツーンとする瑞希お兄ちゃんに、本気でどうしようと思ったら―――――――



「はははは!そのくらいにしといてやれよ、瑞希?」

「烈司。」

「烈司さん!」



助け船が出た。

私のうっかりをフォローしてくれたのは、隣を走っていた烈司さん。




「恐縮されて遅く走るよりは、マシだろう~?凛たんも、瑞希は怒ってねぇーよ。凛たんの反応見て、遊んでるだけだよー?この性悪君はよぉー?」




烈司さんの言葉は実感がなかったけど、すぐにリアリティを感じた。




「こ、こら!俺は別に、凛で遊んでねぇーし!」

「ぶははは!顔真っ赤で言うことかよ~危ない奴~?」

「うるせぇーよ!ほら、凛!前見て走れ・・・!」




そう言いながら、私の髪をくしゃくしゃと乱すお姿。

ソッポを向きながらふくれているご様子。

ふて腐れるような真っ赤な表情に――――――――







キュン♪






と、きちゃいました!!




「おい、凛!なんか、笑ってねーか・・・・!?」

「そ、そんなことは~・・・・」

「嘘つけ!シルキロールの上からでも、わかるぞ!こいつは~!」

「わきゃ!?ちょ、きゃはははは!脇をくすぐらないでくださいよぉ~!?」

「どーだ、参ったかー!?」


グラグラ揺れる私とバイクに気にすることなく、ケラケラ笑いながらちょっかいを出してくれる瑞希お兄ちゃん。



(ああ・・・幸せ!天にも昇る夢心地ね~)




〔★このままだとホントに、天に上る事故が起きる★〕