彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)






――――――――――バウウウウウウウウン!!


「わはははははははははは!!!」






私のバイク音に負けない笑い声。

けたたましい声がひどく耳に残った。

ミラーでそちらを見れば、まだ交差点のど真ん中にその大男は立っていた。

信号止めの係りとして、私達の安全が確認できてから動くのかもしれない。



(すごいな、百鬼さんは・・・・)



あれは、野獣にしかできないでしょう。

とはいえ、ハチャメチャな人だけど、意外とやるのね~
あの人のおかげで、赤信号でも止まらなくて通れたし・・・




〔★凛は少しだけ、皇助を見直した★〕




「パワフルですね・・・5号さん・・・」

「あれでも大人しい方なんだぜ~凛?」




感心する思いで言えば、私の後ろに乗っている人が答える。



「黒子は裏方って意味だからよー目立たないようにしてんだ。」

「1号さん!」

(瑞希お兄ちゃん!)

「けど、心配しなくていいぞ俺たちが来た以上、凛は運転だけに気をつけてればいいからな!今見てぇーに、皇助が障害物を取り除くからよ!」

「そ、そうですね・・・」



ニコニコ笑顔で言われて、照れくさくなる。

それ以上に嬉しくもなった。




「本当に・・・・僕のためにメイクアップを、ありがとうございます。」

「いいってことよ!凛のその顔が見たかったからなぁ~!」

「えへへへー僕も、黒子ファイブのお兄ちゃんが見れて嬉しいでーす!ゴレンジャーとは違いますもんねー」




〔★それほど違いはないと思う★〕



「けど、油断するなよ!何が起こるかわからないからなー?」

「はーい!」



近い距離に幸せを感じる。



「ちゃんと見といてやるから、気をつけろよ?」

「はい♪」

(見てるなんて、やん!)




瑞希お兄ちゃんからの見つめてます宣言に、テンションが上がる。

思わず、ハンドルを握りこんでしまった。



バウン!


「おわ!?」

「あ。」




それでうっかりスピードもあげちゃった。

突然の急加速に、背後からお叱りの声が上がる。



「コラ、凛!スピード出す時は言えよ!危ないだろう!?」

「あああ!?すみません、つい!」


(怒られちゃった~でも嬉しい!)



〔★しかる意味がなかった★〕