そんな瑞希お兄ちゃんに、なぜかドキドキする。
早くなる鼓動に戸惑いながらも、彼の首部分に顔を埋めた。
甘える気持ちですり寄る。
「眠いか?」
「ううん・・・まだ遊ぶ。」
「無理すんな。寝ていいからな。」
背負い直され、体が揺れる。
あったかい背中。
我慢していても眠気が襲ってくる。
「なぁ・・・凛がいつも使う駅は、どこだ?俺は、●●駅。」
「うん・・・?うん・・・■×駅かな?」
「はっ!!?お前、そんなとこから来たのか!?」
驚く瑞希お兄ちゃんと、その動作と声に驚いて、眠りかけていた頭が覚醒する。
「え?あ?ええ?なに??」
「あ!悪い悪い!寝てていいから・・・」
戸惑う私に、それに気づいたお兄ちゃんが寝かしつけるように言う。
「そっか・・・・ずいぶん長旅してきたんだな?」
「・・・うん。」
「帰るの嫌か?」
「うん。」
「パパとママ、心配してるかもしれないぞ?」
「・・・うん。」
わかってる。
帰らなきゃいけないって、頭のどこかではわかってる。


