彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「ご迷惑かけないように頑張るので―――――――――――テメーら、俺について来いっ!!」



調子に乗って、テメーらと・・・・片手を上げながら言ってしまった。




(――――――――――あああ!やり過ぎた!?言いすぎたかも!?怒られる!?)




緊張と動機と、戸惑いと不安と。

いろんなドキドキが混じった思いで反応を待てば。




「「「「「おおーう!!」」」」」




親指を立てたり、拍手したり、片腕を上げたり、両手で万歳をしたりして・・・楽しそうに答えてくれたご一同。



「そうこなくっちゃな、凛!」

「み、1号さん!?」



私の後ろの人に関しては、楽しそうに旗を振ってくれた。:




(――――――――――OKもらえた。)




それで勢いがついた。





「―――――――――行きましょう!」



バウン、バウン!





発進に供えてエンジンをふかす。

そんな私に合わせ、烈司さんが口元のバンダナを直す。

モニカちゃんも口元のスカーフを直してから、髪の毛を整えた。

獅子島さんは、かけていた眼鏡をサングラスに変える。

度の入ったものだとわかったが、医療マスクと合わせてかけると迫力が出た。

百鬼に関しては、ミイラ男みたいなマフラーをさらに巻き込んでいる。

ただ、その下に見たことのないマスクをしていた。




(二重ブロック?)




豪快な性格に反する慎重さに驚く。

そして、一番気になる瑞希お兄ちゃんをミラー越しで見る。

彼も口元の布を直していたが・・・・




「暴走族の時はみなさん、マスク着用なんですか?」

「まさか。」




私の問いに鏡の中で瑞希お兄ちゃんが笑った。