彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんからの甘いおねだり(!?)にテンションが上がる。




パッパッ―!


「ちょっとぉ!いつまでいちゃついてるのよぉ~!」




そんな私に反応するように、コールを鳴らされた。



「さ、3号さん!?」



出したのは、黒子ファイブのオネェさん。

バイクのメーターの上で頬杖ついていたモニカちゃんが不機嫌そうにしていた。

私と目が合うなり、頬を膨らませながら言った。



「凛ちゃん総長!守るなら、あたしも守ってよん!総長の務めは、仲間を無事に家まで帰すことなんだから~!」

「ええ!?そこも総長の責任ですか、3号さん!?」

「凛ちゃん、あたしとのおそろいネタにはからんでくれないのーん?」

「はははは!そっちは後で間に合うだろう、3号?凛たんよ~頭になる以上は、それプラス仲間を危険から守るのも総長の役目だぜ~?今回は俺らをよろしくね~」

「2号さん!?」

「馬鹿言うな、2号。こんな子供に守ってもらわんでも、自分の身は自分で守れる。とはいえ、今夜は初回だから、形だけでも大目に見てやろう。次からは今夜の教訓を振り返り、しっかりと生かしてもらうぞ、凛道?」

「わ、わかりました、4号さん・・・・。」

「わははははははは!いいから凛助!さっさとエンジンつけろ!」

「は、はい!5号さん!」



いろいろ言われて考えさせられたけど、野獣の言葉でキーを回した。



バウン!!


良い感じにかかる。



「上手いな、凛?」



そう判断したのは、後ろのお方。

マスクのせいで吐息は来なかったけど、近い距離で私に語りかけてくれる。




「最初はどうなるかと心配したけど・・・・これなら今夜は飛ばないな、4代目?」

「みず・・・も、もちろんです、1号さん!絶対に、神に誓って、あなた様に怪我をさせません!」

「あははは!じゃあ、早速誓ってもらおうかな~」

「えっ!?なにを!?」

「近いと言うか、宣誓かな~?出発前の掛け声。」

「か、掛け声?」




いきなり振られたアドリブ。

身体ごと振り返れば、ニヤリ顔の瑞希お兄ちゃんがいた。