彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




(意外ね・・・・)




瑞希お兄ちゃん達からのフォローにホッとする半面、百鬼からの意外な言葉に心の中で驚いた。




(褒め言葉であり、瑞希お兄ちゃん達への文句でもあるから~)




素直には喜べない。




「つーことで、凛たん~!誰の単車が一番好きかな~?」

「え!?だ、誰のって・・・!?」

「あたしよね!?」

「俺の単車を、不合格とは言うまいな?」

「俺様が一番だろう!?わははははは!!」

「え、えーと・・・」





一瞬迷ったけど、平和的な返事をした。





「僕のバリオスが一番好きです。」

「「「「「そーきたか!?」」」」」





〔★結果、ケンカは防げたが、総ツッコミが起こった★〕





「あはははは!凛の言う通りだ。」

「瑞、1号!」

「1号さん。」



バイク持ちが達が声をそろえて言った後、1人だけバイクのない人が笑いながら言う。



「どいつもこいつも、個性が強すぎっけど、みんな良いもんな~優しい凛だと、選べねぇーもんな?」

「あ・・・・み、1号さんのバイクもすごく素敵ですよ!?僕のバイクよりも・・・ナンバーワンです!」

「ちょ、凛ちゃん!?」

「さらっと意見変えたー!?」

「おのれ・・・・どこまで瑞希にべったりだ・・・・」



〔★凛はあっさりと寝返った★〕




さわぐ外野をよそに、瑞希お兄ちゃんが口を開く。



「一番て、凛・・・」

「だって・・・僕が初めて見たバイクが、あなたのバイクであり、乗ったバイクでもありますから・・・」

「・・・・今夜は、乗ってきてねぇーんだけどなー?」



照れながら言えば、くすっと耳元で笑われた。

それだけも、胸がときめいてしまう。

そんな私に、さらなるトキメキを与えてくれた。