彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




近くで見る瑞希お兄ちゃんの顔にホッとする。

今夜、側にいると言ってもらえたことでますますホッとした。



(ああ・・・・・・・・この時間がずっと続けばいいのに・・・)



ご褒美タイム(?)に心癒されていれば、後ろから声がした。




「そういうことだ。」



LOVEタイム終了の知らせ。



「獅子島さん!」

「4号だ、馬鹿者め。」



そう言って近づくと、堂々とした態度で口を開いた。



「瑞希、甘やかすのはそこまでだ。しめてもらうぞ。」

「わーてるよ!凛!」

「は、はい!!なんでしょう!?」



獅子島さんの言葉で、私の名を呼ぶ瑞希お兄ちゃん。

私の頭から離れた手が、私の手へと伸びる。



「凛、旗を貸しな。」

「え?」

「奪ったりしねぇーよ。持つだけだ。」

「は・・・・はい。」



瑞希お兄ちゃんに言われるまま、大事に持っていた旗を渡す。

それを手に取ると、片手で旗を回して全体を見る。



「あーあ・・・ずいぶん、スパルタな扱いしたな~?」

「す、すみません!布の部分は、汚さないようにしました!」

「けど、持ち手のポール部分がガタガタだな?どこに突っこんだんだ?」

「に、人間です・・・」




〔★それを言うなら単車である★〕




「まぁいいや!凛、単車にまたがりな。」

「は、はい。」



言われるがまま、瑞希お兄ちゃんが起こしてくれたバリオスに乗る。




「乗れたか?」

「はい!」



お尻がシートとくっついたところで聞かれる。

うなずきながら返事をすれば――――――――――





「よっと!」


ストン!


「え?」




龍星軍の旗を手にした瑞希お兄ちゃんが――――――――――





「ええ!?」

(座った!?)



私の後部座席に腰を下ろした。





「ななななな!?瑞希お兄ちゃん!?」





突然の出来事に、声がうわずる。

それに眉を動かしながら、瑞希お兄ちゃんが答える。




「なに変な声、出してんだよ?ほら、早くエンジンかけろ。」

「ええ!?で、でも!?」




ヴォン!!

バルーン!

フォーンフォン!」

パラリララー!!!



「え?」




私がエンジンをかける前に、複数のエンジン音がした。