彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




その日、リアルで命乞いをする現場に遭遇した。



「た、頼む!勘弁してくれ!」


「いいや、できねぇーな。」



目の前で土下座する私服の男に、瑞希お兄ちゃんは冷たく言い放つ。



「オメーらは、凛を襲わせようとした。喧嘩なら、特服を着た者同士、文句は言わねぇ。けどな、オメーらは性的で仕掛けてきやがった!」

「あ、あれは、軽いジョーダンで~」

「ホント、昔から変わらねぇーな、オメーの頭の悪さは!?オメーらがどれだけ馬鹿な真似しようとしたか、よーく―――――――――――思いしれっ!!」


バキッ!!


「へぶっ!!」



瑞希お兄ちゃんの怒りの鉄拳を受け、最後の敵が倒された。

煉獄OBの副総長。

味方と後輩、他のチームがやられ、ものすごい謙虚に謝って来た。

だけど、瑞希お兄ちゃんは許さなかった。





「簡単に許したら、ケジメになんないからな、凛?」





それが瑞希お兄ちゃんの教え。

そう語る彼の足元には、痙攣(けいれん)しながらうずくまる先代の煉獄副総長がいる。

そいつの姿を、目だけで見ながら瑞希お兄ちゃんは言う。



「やめる時間を与えたのに、謝らなかった。自分の立場が悪くなってから頭下げるのは、本当の謝罪でも何でもねぇ。覚えとけ。」

「・・・・わかりました。」



身を持って教えられたことで、納得しやすかった。

実戦ほど、わかりやすいことはないから。



「さてと・・・!やっとゴミ掃除も終わったな、凛?」

「え!?ゴミ・・・・?」


(それってこの人達のこと・・・・?)



辺りの道路を見渡せば、ノックアウトしたゾッキー達が倒れている。

彼らが使っていたバイクも、エンジン音だけふかしながら止まっている。

あるいは、ガタゴトと横倒れの状態で動いている。




(ゴミと言えなくもないけど・・・むしろ、どちらかといえば・・・・)

「戦場だ・・・・」




〔★つわものたちの夢の後だった★〕