彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





そんなモニカちゃんの勇姿に、あの男がうるさくなる。



「わははははははっはっ!3号には負けるぞー!!」

「百・・・5号さん!?」




グワ!

ダダン!!

バキバキ!!




「ひぎゃああああああああ!!」

「お助け~!」

「いてぇよぉー!」

「わーはっはっはっ!?俺様の夜道を襲うんだろう!?根性見せろやー!!」


(百鬼さん・・・・・・・・)





敵を掴んでは投げ、持ち上げては叩き落とし、サッカーボールを蹴るように人間を飛ばす百鬼。

野獣が通った道は、哀れなゾッキー達が転がっていた。




「いたた・・・い、今のうちに・・・!




そんな人の山の中から、1人の若者が這い出る。

首にタトゥーを入れたヤンキー。

やられた仲間をカバーにして、難を逃れたようだったが・・・・






「いいや。3号も、5号も化け物だ。」




ガシッ!


(あ!?)



「ひぃい!?いつの間に!?」




タトゥー男の言葉通り、静かに背後に回り込んだ獅子島さんがそいつの首に腕を回していた。



「お前は、誰が一番ましな人間だと?」

「ひぃいい!すみません!すみません!皆さん普通です!あ、いや!あなたが一番的まともです、獅子島伊織さん!!」

「不正解だ、馬鹿者め。」




ゴキン!




「おうっ!?」




〆落す寸前まで首を抑える。

その状態で、片腕の関節部分を掴みながら獅子島さんは告げた。






「この中に、『人間』などいやしない。俺も『まとも』ではないわ、芸者ふぜいが・・・!」



ゴリッ!

ゴリゴリゴリボキ!!





それでタトゥー男は、声にならない声を上げて落ちた。





「フン・・・・媚びる相手を間違えおって・・・・!」




変わらぬ口調で、表情でそう語る獅子島さん。





(人間がいないって・・・まともじゃないって・・・!?)





他人事のように自分のことを言う眼鏡の先輩。



(・・・・なんでだろう。)



全然、そんな風には見えないのに。

話し方も普通なのに。






(悲しく感じる・・・・・)






怖いという感想しかなかった人だけど。

その一言で、少しさみしい人だと思ってしまった。

同時に、どうして彼はグレたのかと初めて考えた。