彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「わっはっはっはっ!!」

ギュルルルーン!

「わーはっはっはっ-!!」



エンジン音と百鬼の笑い声が夜の空にこだまし続けている。

人間付きのバイクを投げるのが、よほどよかったのだろう。

その手は、単車の後部座席を握っていた。

それも―――――――――




ギュルルルルーン!!



「「「お、おやめください!!」」

「わははははははは!」



ギュ、ギュルルルルーン!!



「「手を離してくださいませ!!」」


「わっはっはっはっはっはっは――――――――!!」




百鬼に向けて懇願する『8つ』の瞳。




「「「「もう二度と、凛道蓮さんを馬鹿にしないので、ごめんなさーい!!」」」」

「わーはっはっはっ!!」




片手で1代ずつ、計2台のバイクを掴んだまま笑う男。




(今度は両手で2台も・・・・・)




引き止めてる。

捕まえちゃってる。



片手の時と変わらぬ状態で、百鬼は2台のバイクの動きを止めていた。




(どんな握力してるの!?本当に野獣じゃない!)




〔★だから野獣と呼ばれていた★〕




見ている私でさえ、百鬼はヤバいと思う。

それをバイクに乗車して、リアルで体験している方はもっとヤバいでしょう。



「わーはっはっはっはっ!」


「ひー!?スピード出せ!」

ギュルルルルルッル!!


「出してるっ!」

ギュールルルルル!


「わはははははははは!!」

「全然進んでねぇーぞ!?」

「マックスのフルスロットでやってっての!」



ギュルルルルルッル!!

ギィイイイイ!!

ギュル、ギュル、ギギギギ!!



「わはははははははははははははは!!」



「うわあああ!」

「だ、だめだー!」

「助けてくれー!!」

「やめてくださーい!!」




悲痛な悲鳴に合わせて、空回りしているエンジンが、変な音をたてはじめる。

きっとスピードは、最高速度に達しているのでしょう。

後輪が上がった状態で、持ち上げている男に向かってバイクに乗っている暴走族達は謝る。