彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




目を丸くする私同様、ヤンキー達もあわてていた。



「おい!もっとスピード出せ!」

「わかってるよボケ!」



これに、後部座席のヤンキーが怒鳴り、運転しているヤンキーもイラ立ちながら答える。

エンジンをふかす。



ギュルーンギュル!


「わははははははははは!!」



頑張っているけど、百鬼は離れない。



「おいぃぃ!もっとスピード出せ!」

「だから、出してんだよ!」


ギュルギュル―ン!!!


「わーはっはっはっ!」



さっきより頑張るけど、やっぱり百鬼は離れない。



「どこが出してんだよ!?全然離れねぇーぞ!?」

「馬鹿っ!これが限界だよ!メーター振り切れてんだよぉ!」

「え!?マジかよ!?ううっ!?」



運転席のヤンキーの言葉に、後部座席のヤンキーがメーター表示をのぞき見る。




「マジだっ!?マジなのかよぉ~~~~!?」

「わーはっはっはっはっ!!」




それで絶叫する声と、百鬼の雄叫びが重なる。




ギュルルル―ンルルルー!!




エンジン音だけが空しく、夜空に響く。

その様子を見て思う。

世間ではこういうを、無駄な抵抗と言うのかな、と。



「わっはっはっはっはっはっはっ!どうしたぁ~!?逃げるんだろう・・・・!?」

「ひぃいい!?」

「い、いえ、その~」



離れない野獣が、楽しそうな顔で聞く。



「わははははは・・・・!ジャック・フロストは何を覚えてればいいんだぁ~!?」

「あの、いえ、えーと・・・」

「その~・・・」



絶体に離れない野獣が、嬉しそうに聞く。




「誰に、夜道を気をつけろってぇ・・・・・!!?」

「「ひえぇ!?」」




掴んだバイクを離すことなく、百鬼が聞く。

問い詰める百鬼の目が、ギラリと光った気がした。




(光るはずないけど、あいつならあり得る・・・・)




DQNを通り越して、人間離れしすぎている。

そう思う私の魔で、瞳孔を開いた状態の野獣は聞いた。





「これは俺様への宣戦布告と受け取っていいよぁ~・・・!!?」

「「ひええええええ!?」」




ラストクエスチョン。

意味が伝わったのか、本能で察したのか。

首を横に振りながら、運転してる少年の方が叫んだ。