「うちにケンカ売って、無傷で逃げれると思うじゃねぇーぞ?」
「あぐぐ・・・・!」
地面に倒れた貝原を、烈司さんが思いっきり踏みつける。
ダン!
「あぐっ!?」
「・・・ケッ!だっせー・・・・一撃で終わりか。」
ゴミでも見るような目で、踏みつけて離れる。
迷いも何もない攻撃。
(いつもはそうでもないけど、ちょっと怖い・・・・)
「ん?」
再度そう思った時、冷たく底冷えするような瞳と目が合う。
ドキッとしたけど、すぐに気が抜けた。
「りーんたん♪」
「え!?」
今までの乱暴が嘘のように、人の良い笑顔に烈司さんが戻ったから。
「どーしたよ、凛たん?変な顔してよ~?ん?」
「あ・・・いえ、僕・・・」
「オメーのせいだろう、2号!」
近づいてきた烈司さんに、瑞希お兄ちゃんが吠えた。
「キャラが変わり過ぎなんだよ!凛、びっくりしてるだろう!?」
「ん~?びっくりしちゃったでちゅかー?凛たーん?」
「あ、いえ・・・ちょっと、ドキッとはしました・・・」
近い距離まで来ると、瑞希お兄ちゃんがするナデナデしてきた。
(ただし、なでる場所はアゴだけどね。)
「そうか、そうか~凛たん、俺にときめいたか~?」
「わっ・・・!あの、くすぐったい・・・!」
「ドキドキしちゃったか~俺に恋しちゃったか~?」
「するかニコチン野郎!犬猫みたいな触り方するな!凛はペットじゃねぇんだぞ!?」
「わーってる。俺らの弟分だろう?だから俺も、凛たんがびっくりしちゃうようなパンチを出したんだろう?」
「うっ・・・・そ、そりゃあ~」
そう語る烈司さんは真面目な顔。
真剣な表情のまま、私の顎を撫でる。


