彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




ショボーンとする私の耳に、野獣の楽しそうな声が響く。



「わはははははは!口で取るなって言う間には、体動かして奪いに来やがれ!」

「フン!言われなくても、わーてるよ!凛、放しな!」

「え!?・・・・・はい・・・・」



瑞希お兄ちゃんに言われては、逆らえない。

名残惜しくて、惜しくて、たまらないけど、渋々指を離していく。




(ちくしょぉ~瑞希お兄ちゃんに嫌われたくないから従うけどぉ~!)




内心は、残念で仕方ない。

そんな私とは正反対に、百鬼はご機嫌に叫ぶ。




「わははははははは!そうと決まれば、どっちが早く、煉獄を消滅させるか勝負だなぁー!?瑞希っ!!」

「1号だ、ボケ!」

「細かいこと気にしてんじゃねぇーぞ、1号!わっはっはっはっ!!さぁ~てと!VS瑞希との勝負に相応しい、俺様の次の対戦相手はだれかなぁ~・・・・!!?」


「「「「うっ、うわああああああああ!」」」」




百鬼の熱いまなざしに、ヤンキー達は後ずさる。

引いている。




(正しいな・・・その反応。私でも、そう言いたくなる眼だもん・・・)




〔★百鬼の邪眼発動、凛も引いている★〕




瑞希お兄ちゃんの参戦と、百鬼の要求を受け、まずます顔色を悪くする煉獄の面々。

そんな中、最初に声を出したのは貝原と一緒にいた現役メンバーだった。



「せ、先輩!」

「な、なんだよ!?」

「こういう時こそ、先代の先輩方!」

「喧嘩の見本をお願いします!」

「はあ!?馬鹿言うな、貝原!俺らは卒業生だ!」

「そうだ!現役の根性見せろ、後輩!」

「なんすか、それ!?目上が良いとこみせてくれるもんでしょう!?」

「なんだその口の利き方は!?しめんぞ!?」

「しめれんのかよ!?都合がいい時だけ、先輩面かよ!?」

「原因作ったのは、オメーらだろう!?」

「おい、よせ!」

「やめろ!」


(あーあ・・・・仲間割れが始まっちゃった。)




〔★野獣効果だった★〕