(本当は布の方を持って、持ち手であるポールで、突けばいい。)
だけど、布だと手が滑ってしまう。
(そもそも、このポールが重すぎるのよ!いくら瑞希お兄ちゃんのいいつけとは言え――――――)
―旗は守れよ、凛!?―
(いいえ、瑞希お兄ちゃんの言うことは絶対!私の頑張りが足りないのよ!)
〔★凛は自分が頑張る方向で切り替えた★〕
気持ちでは、何とかするつもりでいた。
だけど、重なる戦いに、体が悲鳴を上げていた。
「てやぁ!」
「凛ど・・・ぶお!?」
何人目かの灰色の特攻服の男子を蹴り飛ばした時。
「凛道――――――――――!!」
フォン、フォン!
パラリラララ!!
フォンフォーン!
「え!?」
まぶしいライトが体に当たる。
視界をふさぐ。
反射的に旗を守るように抱きしめて瞬間。
――――――――――――ドンっ!!
「あうっ!?」
身体に重力を感じる。
ズシャーと、地面を滑る感覚。
「オラ!捕まえたぞ、ぼっちゃんよ!?」
「うっ・・・・!?」
見れば、私のお腹の上に本田が馬乗りになっていた。
「は・・・・!?」
(旗は!?)
目と手で探す。
(あった!)
無事だった。
私が、自分の胸の前で抱いていた。
ホッとしていれば、くくくと笑う声がした。
「えらいもんだな、普通、今の一撃だと旗を離すぞ?」
「・・・・普通、単車ごとタックルしてこないですよ?」
あの時、バイクの後ろに乗った本田がツッコんで来た。
バイクの方はよけれたけど、後ろから飛び降りた本田はよけきれなかった。
本田は勝ち誇ったような顔で、私をのぞき込みながらしゃべった。


