彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「誰が差し歯だクソガキぃ!!!?」

「わああああああああああああ!?」





そう言いながら、手にしていた警棒を私へと投げてきた。




ブオン!!




かなりの剛腕なのか、早い速度でまっすぐ飛んできた。

顔へと迫って来たので、とっさに身をかがめる。



ゴチン!


「ぎゃ!?」



後ろで誰かに当たる音がした。

確か、赤龍会の連中がいたので、そのうちの誰かだろう。



「な、なにを!?」

「うおおおおおおおおおお!」

「へ?」



屈んだ状態で、体を起こしきる前に見たもの。

鬼みたいな顔で、私へと飛びかかってくる本田の姿。





(――――――――――――――――よけなきゃ!!)





私のバイクに限らず、普通のバイクは重さが200キロ以上ある。

うっかり倒せば、抜け出せなくなる=レイプされてしまう!






(ごめん、バリオス!!)






音楽の時間で習ったクラリネットの歌じゃないけど~!

傷つけることを許して!!





「はああああああああああああ!!」



ガッターン!!


「ぐあ!?」





素早く、単車をまたいで降りると、襲い掛かってきた本田に単車をぶつけた。




ガッチャン、ガッタガッタ!



「あああ!?あいつ!」

「本田さんの攻撃に、バイクぶつけて防いだ!?」

「本田さん、しっかり!」

「本田―!!」

「バイクの下敷きになってんぞ!?」


(・・・・助かった。)




百鬼さんが作ってくれて、烈司さんが整備してくれた私のバリオス。

緊急事態とはいえ、武器にしてごめんね・・・!

単車を傷つけたことを許して!




〔★人間を傷つけたことも考えよう★〕




「このクソガキ!マジで殺す!」

「本田さんのカタキだ、やっちまえ!」



「・・・え?」




反射的に、身を守るためにしたこと。

それは乱戦開始への合図になってしまった。