彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「赤龍会も、堕裏亞も・・・・ここでカカシを決めこんで、動かないってことはないよなー?」

「くっ!な、なめないでくださいよ・・・!」

「おおよ!凛道蓮は俺達の獲物だ!こっちでやらせてもらうぞ!」




本田の言葉に、ビビりながら言う赤龍会と、元気よく答える大野。





(・・・・・・・・・嫌な予感がしてきた。)





さっきまで、戦っていた者同士が、手を取り合っている。

そして、すごい目つきで、私を見始める。

それもこの場の全員が。




「あ・・・えーと。」

(私、ピンチ?)


「やっと、自分の立場が分かったか?」




固まりながら目を泳がせていたら、ニヤニヤしながら本田が近寄って来た。





「龍星軍4代目総長のストリップデビューってのも、いいと思わねぇ?」

「よくないですよ!?」


(ストリップって、裸ってこと!?)





予期してなかったことを言われ、はっきり言って戸惑った。



「何言ってんですか、あなたは!?」

「そのまんまの言葉通りだ!オメーの強気な態度が、いつまで続くかな~!?」



警棒で素振りをしながら本田と言うやつは笑う。



「たった今、オメーの嘘が全員にばれたぜ?リンチにされる覚悟はできてんよな~?」

「リンチはわかりますが、なんで僕が裸になる必要があるんですか!?誰得なんですか!?」

「ひっひっひっ!お前の素っ裸の写真を町中にばらまくんだよ!そうすりゃあ、龍星軍のメンツは丸つぶれ!オメーも瑞希も街にはいられないな~?」


「お前―!?瑞希お兄ちゃんに嫌がらせする気か!?」




〔★本命は凛狙いの嫌がらせである★〕




「ひひひ!!自分がピンチってときまで、真田瑞希の心配かよ~!?」




抗議すれば、本田をはじめとした先輩連中から下品な声が上がる。



「お前、真田の弟なんだってー?弟預かってるって言えば、いくら引き出せるかね~?」

「リンチじゃなくて、拉致に変更!?」

「ざけんな!最初から、ラチるって言ってただろう!?」

「あ、君はー!?」



本田に代わって言ったのは、煉獄の貝原。

その手には、いつの間にか木の角材を握りしめていた。